内藤コーチは、スイング軌道が分かる「ヘッド挙動測定器」を基に作られた「スイングタイプ分布図」を示しながら、2人のスイングタイプを解説してくれた。 |
「東が10週連続トップ10入りしていた頃は、フェードボールが完璧に決まっていた時期でした。針の穴を通すような正確性があったからこそ、好成績を残せていたのです。フェードボールといえば、球を上から打つイメージの「アウトサイドイン」だと思いがち。実際に彼自身も『自分はアウトからクラブを降ろしている』と思っていたんです。イメージ通りのフェードボールはアウトサイドインのスイングで作っているのだと。しかし、この頃のスイングを分析してみると、アウトサイドではなく若干インサイドからクラブを振っていることが分かりました。結論から言えば、彼はフェードボールを『ヘッドの入れ方』ではなく、フォロースイングで作っています。それを自分では、アウトサイドインの軌道でフェードを打っていると思っていたんです」 矢野プロほどのトップ選手でも、「自分のスイングイメージ」と実際の軌道では、ズレが生じることがある。しかも、絶好調時でさえもこのような誤差があるわけだ。 |
年間通して矢野プロ、谷原プロのスイングをチェックする内藤コーチは、ほぼ毎週、試合会場に足を運び、彼らのスイングを確認している。一方で「サイエンスフィット」のスイングデータは年に3、4回収集し、チェックしているという。 |