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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/5号
2002年更新
JGAのアマ資格規制緩和でほとんどの
研修生がアマチュア競技への出場可能に
 アマチュアスポーツの祭典、オリンピックの冬季大会がもうすぐ開催されるが、五輪競技もプロとアマのオープン化が進む中、アマチュア資格に関して最も厳しい競技のひとつだったゴルフが、この度アマ資格規制の緩和に踏み切った。

 日本ゴルフ協会(JGA)は、1月1日よりアマ資格喪失に関する規則の一部変更を行った。主な変更点は、従来プロを目指しプレ予選なども含めたいかなる段階であってもツアー予選会やPGAの資格認定試験の申し込みをした時点で、その合否にかかわらずアマ資格を失っていたが、今年からは最終段階の試験以前の段階であれば、申し込みをしようと合格しようと、アマ資格が保持されることになったのだ。

 今回の変更の背景について、大橋一元・規則委員長は「予選会を受験する人が不合格となったためプロ競技に出られないだけでなく、アマチュア資格を失い競技にも出られなくなる人が増えているし、アマチュア資格を失うことを考えて受験を躊躇する人がいることはゴルフ振興といった観点からも望ましいことではない。また、従来通り規制をしていては日本と欧米との扱いに格差が生じることになり、弊害をもたらすとの判断から変更を決定した」としている。

 では、欧米のアマ規定はどうなっているのか。米国のUSGAも今年から規制緩和の方向で変更がなされ、例えばQTに関してはいかなる段階のQTにおいて出場しても、ツアー出場資格を得ず、賞金をもらわなければアマ資格を失わないことになった。仮にトップ合格した選手が賞金とツアーカードの受理を放棄した場合、彼はアマ資格を保持できるわけである。同様にアシスタントプロになるための申し込みをしても、成功しなかった場合はアマ資格は失われない。

 今回の変更で日米間の決定的な違いは、日本が各種の最終段階の試験に申請した時点でアマ資格を喪失するのに対し、アメリカは最終テストを受験しても不合格になればアマ資格は保持されるという点だ。ちなみにR&Aは日本と同様、欧州ツアーのファイナルQTに出場申請した時点でアマ資格は喪失する。

 ただ、今回の日本の改訂だと、最終QTや最終プロテストを受験して落ちた場合、従来通り、プロでもアマでもない宙ぶらりんの状態の人が生まれてしまう。いっそ日本もUSGAのように、最終的にツアーカード(プロ資格)を得た時点でアマ資格喪失とすればスッキリすると思うのだが、これについてJGAでは、「最終段階の競技や試験に参加申請した時点で、プロになるという明確な意志があり、そこをアマチュアとの線引きと設定した。また、今回の変更をプロテスト等の受験者の側ではなく、そういう意志を持たないアマチュアの側から見ると、プロになろうという意志を持った人と持たない人が同じアマチュア戦で対戦することに問題はないのかという点も考慮した」(事務局)という。

 今回の変更に関し、規則委員会の川田太三氏は「アマチュア規定の緩和は時代の流れ。本来は日本もUSGA方式が望ましいのだろうが、各国の事情もあり、違いが生ずることは仕方ないが、今後はUSGAとR&Aを中心にルールの世界的統一に向かう動きもあり、アマチュア規定もその流れに沿って変わっていくだろう」と話す。

 以前はゴルフ場や練習場の研修生になっただけでアマ資格を喪失していたが、今回の変更でアマ資格は保持されることとなった。また、研修生が日本オープンなどにアマチュアとして参加可能となったわけだが、その際は参加の申し込み時に、賞金を受け取るかアマ資格保持をするかの選択をさせることになる。

 また、JGAでは「但し、技術指導で報酬を受けたり、賞金を目的に競技に出場すると、アマチュア資格は喪失すること、あるいはアマチュアへの復帰に関する点は従来通り」とする。

 さて、この変更、このところ学生に比べて試合の場が少なく、ややもすると不人気となっていた研修生に光明を与えるか。

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