週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
失格の理由は過少申告。OBを打ちダボとした6番パー4のスコアを「4」と書いて提出したのが原因で、そのスコアを記入していたのが宮里のマーカーである伊沢利光だったため、スポーツ各紙は「伊沢また誤記」と一斉に報じた。というのも、伊沢は昨年のカシオワールドでジャンボのスコアを“過少”に誤記し、今回と同様にジャンボ失格の原因を作っていたからだ。 「また、やっちゃいました」と恐縮する伊沢によれば、「11番あたりで(宮里のスコアを)5~6ホールつけていないのに気がついて、まとめて書いた」とのことだが、その際にパーだった5番パー4を「6」、6番をパーと勘違いして記入してしまったのだ。トータルスコアが合っていたため宮里は「間違いない」と思い込み、そのまま提出した。予選2ラウンドを終えて65位タイから29位タイへと順位を上げ決勝ラウンドへ進出、最終日に望みをつないでいただけに、宮里には痛い失格となった。 伊沢は宮里に「すまなかった」と素直に謝ったが、非は自分のスコア確認を怠った宮里にあり、逆に「伊沢さんに迷惑をかけてしまった」と宮里が伊沢に頭を下げる場面も見られた。 2位タイとひさびさに好スタートを切った伊沢が最終日にスコアを落とし14位タイに転落したのは、この一件が気持ちに陰を落としたのではないかとの見方もあったが、「宮里さんには気の毒だったと思いますが、よくあることですし、伊沢は全然気にしている様子はありませんでしたよ。スコアを崩したのは、改造中のスウィングがまだしっくりしないからでは」(伊沢のマネジャー)とのことで、プレーに影響はなかったという。 これで今季、国内男子ツアーでの失格は3人目。内訳は過少申告が2人と誤球の処理を怠ったのが1人。昨年1年間では、延べ11人が失格、そのうち過少申告は9人と、確かにそう珍しいことではないのかもしれない。 数ホール分のスコアをまとめて記入することも珍しいことではなく、あるプロは「普段は毎ホール書いていますけど、調子のいいときなんかは、自分のプレーに入り込んでしまうため、何ホールか付け忘れていることもありますね。人によっては詰まって待たされるホールでまとめて書いていることもありますし、ジャンボさんなんかは18ホールが終わってから全部書いているみたいですよ」と証言。 しかし、中には相手のプレーをまったく見ていないマーカーがいることも事実。とくに大物選手に多いようだ。かつて全盛期のニック・ファルドとブリヂストンオープンで同じ組でプレーしたことがある上出裕也は、「73で回ったのにファルドが付けたボクのスコアは80。人のプレーなんか全然見てないんですよね。どのホールが違っているとかのレベルの話じゃなかったので、全部書き直しました。最近はキャディにスコアを付けさせている選手もいるようですけど、それじゃマーカーとは言えないんじゃないですか。僕は自分のスコアはじっくりチェックするようにしています」と話す。 一般アマが同伴競技者のスコアを互いに付け合うというケースは、クラブ競技等に参加する場合ぐらいだろうが、数字の管理だけは大物選手の真似をしないほうがいい?