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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/8
2005/2/3更新
もっと風が強かったら、優勝のチャンスはあった
「世界の丸山」をアピールしたハワイの4日間
 PGAツアー今季第2戦のソニーオープン・イン・ハワイは、世界ランクナンバーワンのビジェイ・シンの優勝で幕を閉じたが、3日目までトップを守り、最後まで優勝争いに加わった丸山茂樹の活躍で大会は大いに盛り上った。

 開幕戦のメルセデス選手権は、昨季の優勝者だけしか出場できないため、ソニーオープンがフルフィールドとしての最初の大会となり、多くの選手にとっては実質 的な開幕戦となった。しかし、例年通り、タイガーをはじめ、ミケルソン、ラブIIIらのトッププロが欠場し、出場者の顔ぶれはちょっと寂しいもの。世界ランキングの上位で出場していたのは、ランキングトップのビジェイ・シンと、同3位でこの大会3連覇が掛かったアーニー・エルスの2人だけだったが、さすがに実力者だけあり、期待通りの活躍を見せた。


優勝を逃したとはいえゴルフファンを釘付けにした
 まずはエルス。3日目まで低迷していたが、最終日に爆発。上がり3ホールをバーディ、バーディ、イーグルの猛チャージで、コースレコードタイとなる62をマーク。3連覇は逃したものの2位に入り貫禄を見せた。

 一方、ビジェイ・シンは、終始安定したプレー。前週のメルセデス選手権では最終日をトップで迎えながら自らのミスで逆転を許し、優勝を逃すという王者らしからぬプレーぶりだったが、すぐに雪辱を果たすあたりは、さすがに世界ナンバーワン。これで、昨年の終盤から出場した10試合で7勝を挙げるという圧倒的な強さ。今年も「打倒ビジェイ」がツアーのテーマとなりそうだ。

 その2人を相手に最後まで優勝を争ったのが、丸山茂樹だ。2日目に65をマークし一躍トップに踊り出た。ソニーオープンと言えば、83年に青木功が日本人初の米ツアー優勝を飾った日本には馴染みの深い大会。最終日18番で見せた奇跡のチップインイーグルは今でも語り草になっており、今年の大会前にも青木が入れた場所から100万ドルを掛けたイベントが行なわれていた。ハワイという場所柄、日系人も多く、丸山の優勝を期待する多くのギャラリーが会場となったワイアラエに駆け付けた。

 しかし、その3日目、出だしの1番で丸山はいきなりダブルボギーの最悪のスタート。その丸山を立ち直らせたのが4番204ヤードのパー3。6番アイアンで打ったボールはピンの手前でバウンドし、そのままカップに吸い込まれるように転がり、ホールインワン!

 「1番でダブルボギーを打ってしまったけど、気持ちがネガティブにならないように気をつけた。バーディを2つ獲れば取り戻せるって。そしたら幸運にもホールインワン。あれで今日は救われた。あの後は、本当にポジティブになれて、自分のゴルフができた。ホールインワンがなかったらどうなっていたかわからないね」

 丸山のホールインワンは03年のコロニアル以来、通算6度目。これで、息を吹き返した丸山はその後も3つのバーディを奪い首位をキープした。01年から3年連続でPGAツアーで勝利を挙げていた丸山だが、昨年は未勝利。「優勝して翌年、カパルア(メルセデス選手権)でプレーすることが、ボクの毎年の目標」と語る丸山にとって、最終日は2年ぶりの優勝をかけたスタートとなった。

 9、10番と連続バーディを奪い首位をキープしていた丸山だが、12番でボギーを打つと14番でもアプローチをミスしボギー。この時点で3日間守ってきた首位を明け渡した。

 「13番でいいパーを拾ったのであそこはきっちりパーを獲りたかった」と振り返った丸山は、首位のシンと2打差で最終18番左ドッグレッグのパー5を迎えた。ここでイーグルを獲ればプレーオフという丸山のティショットは左サイドのバンカーの縁で万事休す。2オンを狙える位置ではなかった。

 「ビジェイやエルスはキャリーでバンカーを越えられるけど、ボクの飛距離ではフックで左サイドのバンカーを巻き込むように打っていくしかなかった。 やっぱりビジェイやエルスたちの体格がうらやましいよね。一度あの背で打ってみたいよ。これが今のPGAツアーなんだよね」と振り返った丸山は3日目終了後に、「風が強いほうがチャンスはある。そうなればスコアはそれほど伸びないから」と語っていたが、最終日はそれほど強い風は吹かなかった……。

 「初戦でこの位置は幸先がいい。負けていろいろなことを覚えるんだし。今年は絶対勝ちます!」という丸山の今後に大いに期待が持てそうだ。

 その丸山とともに日本勢として予選通過を果たしたのがPGAツアールーキーとなる今田竜二。8戦ごとに出場優先順位のリランキングが行なわれるだけに、まずは初戦から予選通過と、こちらも幸先のいいスタートを切った。女子ツアー人気に押され気味の男子ツアーだが、今年は海外から大きな話題を提供をしてくれそうな予感を感じさせる大会だった。

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