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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/12
2005/7/7更新
ゴルファーの6割強は「18Hスルーで回りたい」
首都圏近郊コースではスタート2部制が好評

 北海道では今月20日から札幌を中心に約500の企業、公的機関が標準時より時計を1時間早める「サマータイム」を実施。日の長い夏の昼間を有効に活用する試みが各所で行われている。

 ゴルフでも夏場は早朝・薄暮で18ホールスループレーができれば、1日が有効に使える。実際、首都圏でも外資系など一部コースで実施され、人気を集めているところもある。

 ゴルフ場が市街地から比較的近い北海道や沖縄を除いて、全国的にスループレーを実施するコースはまだまだ少ない。

 3年前、日本ゴルフ協会などゴルフ関連16団体で構成される「ゴルフサミット会議」が全国規模で行ったゴルファーを対象にしたアンケート調査で、回答者の64.8パーセントが、要望するサービスのひとつに「18ホールスループレー」を挙げていた。

 それだけ一般的なニーズは高いのだが、関係者の声を聞くと、現実には例えば都心から遠隔地のコースでは、やはり「昼食の休憩がほしい」という声は強い。確かに、2時間のドライブ後、5時間の連続プレーはきつい。

 しかし、都心に近いコースではもっと歓迎されるはずだ。実際、スループレーのスタート枠は常に予約でいっぱいというゴルフ場がある。東京郊外のGMG八王子Gだ。

 同ゴルフ場では、数年前から6月~9月(8月は除く)の間、土・日・祝日に限り、スルーの時間枠を早朝と午後の2部設けて営業している。

「最初は慣れないお客さんが多いので、スルーの時間帯でも、休憩を取りたいとおっしゃれば、それに応えるようにしていました。おかげで、当時のキャディマスターはスタート時間の設定で大変でした。でも、今はすっかり定着し、スルーの枠(早朝最大240人、午後最大160人。27ホール)から満員になります。特に早朝枠は人気ですね」(総支配人・森川孝志氏)

 そして、今年は昨年よりスタートをそれぞれ30分早め、早朝は6時30分~8時50分。午後の部は11時30分~とした。それによる受入組数は変わらないが、プレーヤーにとっては1日をより有効に使えるので、歓迎されるのではという読みがあった。その読みは、目下のところ的中したようだ。

「一気に1時間早めて6時スタートも考えてましたが、従業員の問題もあって、まずは30分で……。今後は、お客さんの反応とこちらの対応力を探りながら、朝令暮改でもいいから、運営は柔軟に構えていく方針です」(森川氏)

 しかし、これほどののんきなら他にも追随するコースが現れて良さそうなものだが……。現実には、外資系など一部を除いてまだまだ少ない。踏み切れない理由のひとつに、レストランの売上げが減るという営業上の課題があるようだ。

「確かにその心配はありますが、でもお客さんはスループレー後、絶対にどこかで昼食をします。ですから、周辺のレストランに負けない味や値段であれば、わざわざ他所に行きません。売上げ減を恐れるのは、レストランに自信がない証拠でしょう」と語るのは、ゴルフ場運営コンサルタントの菊池英機氏だ。

 また、先の森川氏も当初、売上げを減らしたことは事実だが、それほど大きな幅ではないと話す。

 そして、「早朝のお客さんはコンビニでオニギリなどを買って持ち込みますよ。ならば、うちも同じような軽食を用意すればいい。ラウンド後の食事も、お客さんが外で4~500円で済ますというのなら、うちでも同程度の値段のメニューを用意すればいいんですよ」と、ゴルフ側の都合で考えるのではなく、ゴルファー側の都合に合わせた発想をすればいいと語る。

 スループレーの実施を阻む障害は、実際には案外小さいのかも知れない。プレーヤー側の求める声が高まれば、今後は急速に増える可能性も……。

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