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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/1号
2006/7/18更新
グリップに異変。ラバー、コードに続く第3の素材、
イオミックほか新製品が続々登場

 このところ女子プロを中心に、パター以外のクラブにも色鮮やかなカラーグリップを装着するプレーヤーが多くなった。その一方で、昔からの硬いコードグリップには淘汰されるものも……。トレンドの大きな変化が見られるグリップの現状をレポートしよう。

 今、特に女子ゴルファーの間に急速にユーザーを増やしているのが、イオミックのカラーグリップだ。エストラマーという樹脂製で、Xグリップというシリーズは全16色もある。

 同社では現在、ツアープロへのモニター供給を積極的に進めており、パターグリップだけのユーザーも含めると女子ツアーでは出場選手の約3割が同社のカラーグリップを装着している。

 しかもこのうち今季は、横峯さくら、藤田幸希、飯島茜など5選手がこのグリップを使ってツアー優勝しているという。

 これほどユーザーを広げたのは、もちろん色合いだけが理由ではない。ラバーやコード入りとは違った手の平にしっくりと馴染むグリップ感が支持されてのことだ。

 そのため、星野英正など男子プロの間にも愛用者が増えているそうだ。ただし、黒を装着するプロもいるので、外から見ただけでは簡単には分らない。

「プロからは、例えば49グラムで50本といったように、1グラム単位で少ロットのオーダーをいただきますが、工場は国内なので問題なく対応させてもらっています」(鉢呂俊彦社長)

 もともとイオミックはクボタやヤンマーといった農機具メーカーの軟性プラスチック部品の製造メーカーで、40年も前からプラスチック樹脂成型を手がけてきた。その農機具は基本的に少ロット生産(200台規模~)で、多品種少量生産はお手のものという。

 だから、カラーグリップの注文(13本以上)は、例えば13本すべて色違いとか、ウッドとアイアンの2色に分けるなど、色の組み合わせが自由にできる。ここにも人気の理由がありそうだ。

 同カラーグリップは、現在アジア、ヨーロッパなどの世界25カ国に輸出しており、今後はアメリカ進出に力を入れていくという。

 また、「今月末には7~8色のコード入りカラーグリップの試作品ができます」(鉢呂社長)と意気軒昂だ。

 そこで同社の攻勢を受けて立つ老舗のアメリカメーカーだが、もちろんゴルフプライドからもラムキン(ロイヤルグリップ)からも、次々と新製品が発売されている。

 まず、ゴルフプライドだが、柔らかい外層と硬い内層の2層構造になったDDMシリーズが現在好評で、国内クラブメーカーにもOEM供給している。同シリーズには、今年新たにコード入りが加わった。

 また、グローブで握るグリップエンド側半分はコード入り、素手で握るヘッド側半分は赤にカラーリングされたラバーといった、斬新な発想のグリップ(ニューディケードMMC)も発売された。

「トレンドとしては、確かに柔らかめに移行していると思います」(広報担当)とのことで、実際、同社ではクラシックコードという硬いコードグリップは3年前に販売中止になっている。

 また「ロングセラーのスウィングライトの黒も生産中止になる」(チューンショップ・スパイグラス 玉嵜さん)という話もある。

 しかし、カラーグリップについては、「気にはなっていますが、当社で発売するときはゴルフプライドならではの独自性のあるものになると思います」(広報担当)と慎重な構え。

 ラムキンも同様の2重構造になった「トーションコントロール」(カラーは青と赤の2種類)という商品を今春発売。一時、品薄状態の人気となった。

「外側はソフトなプラスチック素材で、表面にレーザー加工で微細な凹凸パターンを刻み、グリップ感を増す設計になっています」

 一般にグリップは他のパーツに比べて注目度が低い。だが、手とクラブを結ぶ大事なパーツであり、様々な方向から研究・開発が進められている。次のグリップ交換時には、じっくりと再検討してみるといいかも。

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