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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/20号
2007/2/8更新
昔の名前がわからない!?
過去5年で名称変更のコースはなんと350弱も

 ここ数年、ゴルフ場の顔とも言うべきコース名を変更するケースが後を絶たない。コース名変更の件数が、過去5年間で延べ350件にも上る背景を探った。

 一口にコース名の変更と言っても、そのパターンは様々。一般にコース名は、コース所在地や、コース所在地に経営会社名を組み合わせたものと、所在地名とも経営会社名とも無縁でイメージの良い横文字単語をつなげたものとに大別出来る。

 コース名が変更されるきっかけとなるのは、やはり経営交代。ゴルフ場経営会社だけでなく、企業が法的手続をとることにアレルギーを持っていたのはわずか10年前の話だ。

 逆に言えば、銀行までもが潰れる時代を経験したことで、10年前なら考えられなかったほどに、法的手続きに対するアレルギーや後ろめたさが、劇的に払拭されてしまったと言える。

 法的手続きに対するアレルギーが強かった10年前に横行したのが、預託金は引き継がずに営業権だけを、ある日突然譲り受けたと称する企業がゴルフ場の日銭を押さえてしまうケース。

 この手合いには会員に向かっていきなり「追加金を払わないとプレーさせない」と言い出す企業が多かった。経営が代わったことをアピールするため、コース名も変えるというのがパターンだった。

 が、この5年は、当時の事情とはだいぶ異なる。平成12年に民事再生法が施行されたことで、ゴルフ場の法的手続きは一挙に進んだ。会社更生や民事再生、破産など法的手続きを通じて経営が交代したことがその背景にある。

 コース名の変更には実に多くのコストがかかる。コース内の表示、パンフレット類はもとより、最寄りのインターチェンジからコースまでの道案内の看板取り替えにかかるコストもバカにならない。

にもかかわらずコース名を変更する理由は大まかに分けると2つ。1つは新たに経営会社となったことのアピール、そしてもう一つはマイナスイメージの払拭である。

 2大外資のうち、PGMは基本的に旧コース名のままだが、アコーディアの場合は、「コース名には会員が愛着を持っているので、アコーディアとしての統一感を損なわない程度の変更」(アコーディア広報)を行っている。

 旧緑営のコースから≪スプリングス≫をはずしたり、≪倶楽部≫を≪クラブ≫に変えたりといったところだ。

 東京建物なら≪Jゴルフ≫の冠が付くのも新経営会社となったことのアピールと言える。

 今治造船も平成16年2月にサンセットヒルズCC(愛媛県)を取得していたため、昨年取得した瀬戸タックCC(香川県)をサンライズヒルズCCに変更。動機は「姉妹コースとしてのイメージを作りたい」からだ。

 またパシフィック・マネジメントに営業譲渡した旧東軽井沢GC(群馬県)は、軽井沢の名を取り、より地域を鮮明にした松井田妙義GCに変更。

 ユニークな名としては、ヤマハから地元の建設業者・宮本土建工業が買収、3年ぶりに営業が再開されることが決まった旧キロロGC(北海道)は、レラGCに変更と、元の名前もユニークなら変更後もユニーク。ちなみに旧名称のキロロはアイヌ語で「心」「愛情」といった意味だったが、レラは「風」の意味とか。 

 この他、2年3カ月の間に4回も代わったのが旧ウイルソンゴルフ倶楽部ジャパンいわせコース(茨城県)。平成16年1月以降、「いわせ」「ロイヤル」といった単語の組み合わせが若干変わるだけのマイナーチェンジを3回繰り返し、現在の名称はかさまロイヤルGC。

 ゴルファーにとっては、コース名が変わるとわかりにくくなるデメリットもあるコース名変更が、文字通りゴルフ場経営への意欲アピールのためであることを願うばかりだ。

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