日本女子ツアー最終戦で、公式戦でもあるLPGAツアー選手権リコーカップをスポンサードしている精密機器メーカーの(株)リコー(近藤史朗社長・東京都)が、女子メジャーの冠スポンサーに名乗りを上げた。
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試合会場がセントアンドリュースだけに日本での話題性も高い
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ゴルフの聖地、セントアンドリュース(スコットランド)が舞台となるメジャー最終戦、全英女子オープンの冠スポンサーが、長年のウイータビックスからリコーとなることが発表された。
契約は3年。かつて岡本綾子の全盛期に米女子ツアー全体をサポートしていたマツダが、全米女子プロ選手権の冠スポンサーだったこともあるが、久々の日本企業の≪進出≫だ。
正式名称はリコー・ウイメンズ・ブリティッシュ・オープン(日本名・全英リコー女子オープン)。これまでどおり、日本ツアーからも6月17日(ニチレイPGMレディス終了)までの賞金ランキング上位5人にも出場権がある。
リリースでは「ゴルフの精神に共感する企業による大会サポートを希望するLGU(レディス・ゴルフ・ユニオン)と、世界のメジャー競技をサポートすることで国際的知名度を高め、より一層のグローバル化を推進したいと考えるリコーのスタンスが一致した」とある。
関係者の言葉もこれを補足する。「現在、売り上げが右上がりに伸びており、海外のマーケットを拡大する方向にあります。すでに各地の販売会社を買収して大きくなっている。後は知名度ということで、今回の契約につながったのでしょう」
また、もうひとり、別な関係者は、「両者にとって絶好のタイミングだったのでは」と分析。どんなに望んでも、なかなかメジャーの冠スポンサーになることは難しい。
だが、今回は長年、大会をサポートしてきたウイータビックスが離れるため、大会側がスポンサーを探しており、これがリコーの欧米進出の意向とピッタリ合ったということのようだ。
世界の女子ツアー事情を見ると、日本が最も元気がいいのは明らかだ。
米ツアーは世界一のレベルを誇るが、人気、スポンサーという面では男子のそれには遠く及ばない。一昨年からコミッショナーとなったキャロリン・ビベンス氏はツアーの価値を高めようと試合を高く売ることを画策。
賞金の安い試合を淘汰し、スポンサーの業種を選ぶなどしたことで、長年、地道にツアーをサポートしてきたスポンサーの多くを手放してしまった。
結果的に試合は増えず、賞金額こそ上がったが、長い目で見ると首を傾げる関係者も多く、賛否両論が飛び交っており、今後の成り行きは予断を許さない。
一方の欧州は、各国を転戦するツアーがしっかりと根付いているものの、米国以上に地味な存在だ。アニカ・ソレンスタムの名前を出すまでもなく、20年ほど前からトッププレーヤーは米国に渡ってしまい、時折り帰ってきてホームツアーに出場するだけ。
低迷気味の女子ツアーに景気のいい日本企業の力を借りてアピールしたいというのが、今回、地元のスポンサーではなく日本企業をメジャーのスポンサーに迎えた理由だろう。
いずれにしても、会場がゴルファーの憧れ、セントアンドリュースとあって、例年以上に日本選手の参戦意欲は高い。これまで、女子には開放されなかったクラブハウスも、今大会では選手に使用が認められており、聖地を満喫できるはずだ。
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