チャリティを標榜したプロアマトーナメントはいっぱいあるが、出場するプロの賞金から一律チャリティを募るという試合が行われた。新機軸の≪チャリティトーナメント≫を追った。
この大会は5月22~24日に行われた第5回ナステックシニアオープントーナメント。愛知県・京和CCで開催されたシニアプロを招いてのプロアマ競技だ。今回も村上隆、河野高明、海老原清治ら40人のプロが参加した。
主催のナステックは名古屋市緑区に本社を置く金属切削工具メーカー。そのナステック社が理念に掲げる社会貢献の精神をもとに、ゴルフでも社会貢献をということで始まった。
大会は今年、開催5回目を迎えるということで、賞金総額は堅調な名古屋商圏企業の元気さを反映するかのように前年比700万円アップの1800万円とビッグな大会となった。
と、ここまでは、よそでもある話だが、今大会の新機軸は、試合に出場する選手の賞金から一律3パーセントの額をチャリティとして寄付を募るというもの。ほかにも、1~3位の賞金からは10パーセントを寄付するというところだ。
それも、「チャリティの精神はよく理解できます。今回の試みはそれに賛同した参加プロ選手会のほうから自発的に申し入れをしたものです」(小林富士夫)と、プロの側からの申し入れとなった点だ。
「地元に貢献ができるし、大会が盛り上がれば賞金も増えるし、試合も増える。3パーセントの寄付はプロにはなんの異論もないと思います」(新井規矩雄)
今大会、優勝したのは藤池昇龍、2位は渡辺司、3位吉村金八。この3人は賞金の10パーセント、それぞれ30万、15万、10万、これに出場プロの3パーセント分を合わせた計108万7000円が集まった。
これは、ナステック基金として運用されジュニア育成などに使われる。ほかにもプロアマ終了時にプロが持ち寄ったグッズ、ギアのオークションで集まった141万2000円が中日新聞社会事業団などに贈られた。
オークションで集まったお金をチャリティに寄贈という話はよくあるが、これをさらに進めて一律、賞金もチャリティにという新システム、「レギュラーツアーでもこういう大会をやればいいのに」(井上久雄)というように、一考に価すると思われるがどうだろう。
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