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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/31号
2007/7/19更新
全英オープン、為替高で賞金10億円超に!
優勝しただけで日本の賞金王になれる!?

 外貨に対する円安傾向が、続いている。先の11日、円はポンドに対して、247円につけた。対ドルでも121円75銭につけている。ゴルフと為替相場など一見関係がないように思われる向きもいるかもしれないが、ところが大違い。この円安が全英オープンに意外な影響を与えているのだ。


全英オープンの賞金総額はなんと10億円以上にアップ(写真は昨年の全英オープン)
左は現在のカー。信じられる?

 R&Aは今年の全英オープンの賞金総額を20万ポンドアップさせ、なんと420万ポンド(10億3740万円)にすることを発表した。

 今年の全英オープンの優勝者は、75万ポンドの賞金を獲得することになるのだ。

「賞金額をアップさせたことは、世界のゴルフ界の先頭に立つ全英オープンの地位を保つという、私たちの目標を反映させたことだ」とピーター・ドーソンR&Aチーフエクゼクティブが語るが、これを日本円にすると、とんでもない数字となるのだ。

 ポンドで言ってもピンと来ないかもしれないが、75万ポンドの優勝賞金を日本円にすると、約1億8525万円。

 優勝賞金が、日本の男子の普通の試合の賞金総額を大きく上回り、米女子ツアーの平均的な試合の賞金総額と同じということになる。

 去年の日本の賞金王の片山晋呉の獲得賞金は、海外での約2000万円を含めて、1億7840万円。

 つまり、もし日本人プレーヤーが、全英で優勝すれば、それだけで今年の日本の賞金王がほぼ確定ということになる。

 99年に今年の全英の会場となるカーヌスティで獲得したポール・ローリーの優勝賞金は35万ポンドで、今年の半分以下。

 賞金額が倍増したこともさることながら、わずか4年前の2003年には、対ボンドで円は185円前後につけていた。

 つまり、もともとの賞金が変わらなくても、円で計算すると34パーセント以上もアップしたために、日本円にするとこんな途方もない優勝賞金となったのだ。

 加えて、全英オープンは、日本人プレーヤーがもっとも活躍が期待されているメジャーということもある。

 アメリカの距離の長いコースを点で結ぶターゲットゴルフには、非力な日本人プレーヤーには不利な面が多いが、転がしてグリーンに乗せる線のゴルフには、慣れている。

 もちろん、優勝候補の筆頭には、タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンがいるのだろうが、父親となったウッズは、「家族の方が優先順位が先」と、全英の出場を明確にしていなかった。

 ミケルソンも、手首の怪我こそ完治させた模様だが、黒いリストバンドをはずして出場したAT&Tナショナルでは、全米オープンに続き、2試合連続の予選落ち。

 メジャーとなれば、気合も入ってくるのだろうが、それでも何か勢いが感じられない。

 特にカーヌスティの全英では、過去アメリカ人プレーヤーが勝っているのは、ベン・ホーガンとトム・ワトソンだけ。

 そうした意味でも、日本人プレーヤーにチャンスはあるのではないだろうか?

 特に今年の全英には、片山、伊沢など、日本の選手は7名が参戦する。人数を考えれば優勝のチャンスは多い。

 円ほどではないが、対ポンドでは米ドル安の傾向もある。今年の全米オープンの優勝賞金がドル建てで126万ドルだったことを考えれば、全英の優勝賞金が150万ドルを越えるのは、アメリカのプレーヤーにもメリットはある。

 しかし、ある意味、高額賞金と高額契約料で、金には困らないトッププレーヤー達にとっては、賞金がモチベーションにつながるとは考えにくい。

 そうした意味では、全英の賞金が、日本人選手の変なプレッシャーにならずに、良い意味でのモチベーションにつながれば、面白いことになるやも。

 賞金という数字の面からも、今年の全英は見逃せない。

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