今月は九州地方の集中豪雨に始まり、7月としては史上最大級の台風4号の襲来、そして先週の中越沖地震による柏崎市を中心にした震災と、大きな天災が続いてしまった。いずれもゴルフ場にも大きな爪あとを残したが、なかでも今後の回復が心配されるのが震災を受けた柏崎市にあるゴルフ場。その現状を聞いてみた。
昨年の夏もゴルフ場関係者には厳しい夏となった。
九州を中心にした集中豪雨に続き、西日本の猛暑などの影響で、多くのゴルフ場が営業不振とベント芝の夏枯れなど芝の管理に泣かされた。
今夏も、当初は雨不足と猛暑が心配されたが、これに勢力の大きな台風に襲われるという心配が加わった。
「ラニーニャ現象」の今夏は、台風の発生は少ない代わりに、大型台風が出来やすいといわれる。
先の台風4号でも、沖縄・宜野湾市で練習場のネットと鉄柱が強風で倒れ、車3台が押しつぶされるなど、ゴルフ関係に大きな被害をもたらした。
これ以上の災厄はご免と思ったところに起きたのが、今回の中越沖地震だった。
「広い範囲で大きく揺れた地震の割に、ゴルフ場の被害は柏崎に限られたようです。柏崎のゴルフ場以外からは、被害があったとの知らせは届いていません」(新潟県ゴルフ連盟)
その柏崎市には、日本海沿岸の石地シーサイドCC、柏崎CC、柏崎シーサイドGC。そして内陸の柏崎黒姫CCの4ゴルフ場がある。
このうち、19日に営業を再開した柏崎黒姫CCを除いて、営業再開は未定だ。
「一応、土曜日(21日)から営業したいと考えていますが、まだ水道が使えないなど、いろいろ問題がありますから、実際には流動的です」(石地シーサイドCC)
同ゴルフ場は、コースそのものには大きな被害はなかったそうだが、カート道路の2~3か所で亀裂が入ったり、コース売店がずれ動くといった爪あとが残っている。
さらに、電磁誘導カートの配線が切れているため、再開後しばらくは、カートは自走で動かすことになるそうだ。
柏崎CCは、コースの一部でグリーンに段差や亀裂ができるなど、修復に時間がかかりそう。
「現在、被害状況を調査中です。簡単な補修で済むのか、営業しながらの修復工事ができるのか、あるいはクローズしなければ無理なのか、今のところは分りません。それと水道、ガスが、使えるようになる目途が立たないので、再開の予定も決められません」とのこと。
実は同CCでは、8月7日に全5会場で行われる県アマ選手権の予選が予定されていた。
もちろん、その実施は無理。主催の県ゴルフ連盟によれば、会場を長岡CCに移して行われるそうだ。
残る柏崎シーサイドGCは、柏崎の市街地から最も近いゴルフ場だが、18日まで電話も不通の状態(19日には呼び出し音はあるが、応答がなかった)。
被害の状況が心配される。
柏崎市の隣り、長岡市の海岸沿いには、毎年8月に女子ツアー戦「ヨネックスレディス」が開催されるヨネックスCCがある。
ここでもカート道路の亀裂やグリーンの盛り土がずれるといったコース被害はあったが、休まず営業できた。
また、今月30日、31日の県女子アマ選手権に続き、8月24日からのヨネックスレディスを控え、「大会前に、グリーンの大規模な補修は避けたいので、このまま営業を続ける予定です」とのことだ。
ただし、盛り土がずれたグリーンでは、大雨が降れば、亀裂が入った箇所から土台の砂が流されることも考えられる。
今後の管理に神経を使いそうだ。
どのゴルフ場もなんとか営業再開は出来ても、集客の問題など、本当の苦労は再開後に始まるのだろう。
「そのためにも、依然不通になっている北陸道の全線開通。それから、柏崎の本格復興が待たれます。それまではお客さんも喜んでプレーできないでしょう」
というのが、どのゴルフ場からも聞かれる声だった。
願わくは、秋の本格ゴルフシーズンの前に、そうなって欲しいものだ。
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