8月の真夏日は27日あり、日本列島は記録的な猛暑に襲われた。この暑さはゴルフにも多大な影響を及ぼしたが、その中でこの夏際立った傾向は、涼しさを求めての早朝薄暮プレーの人気。これがゴルファーに大好評だった。
暑さのために通常プレーからずらして、午後スルーや薄暮ハーフの方にシフトしたプレーヤーが多かったというのは埼玉県の北武蔵CC。
少しでも暑さをしのげると考えたのだろう。予約をせずに午後ぶらりと来た人は、予約した人とほぼ同数にのぼったという。
また、早朝プレーはといえば、「今年から土日祝のみに限定したため来場者が減ると予想していたところ、平日も受け入れていた昨年よりも多めでした。2サムでのプレーが多く、さっとプレーしてさっと切り上げていました」(佐野直人営業課マネジャー)
今年から早朝スループランを始めたという習志野CCクイーンコースは、約500人の来場者があり、大好評だったという。
「午前4時30分スタートなので暑くなる前に終了し、昼前には帰宅でき、1日が有効に使えることが魅力なのでしょう。それほど宣伝しなかった割には、いい結果がでました。今後はこのプレースタイルが定着していくでしょう」
とアコーディア・ゴルフの野中貞徳事業部長は予想する。
「早朝プレーは概してレベルの高いプレーヤーが多く、7時30分までにハーフターンしなければならず、初心者にはせわしいという声もありました」
と、こちらはどんな人にも適しているプレースタイルではないことも、同時に指摘する。
一方、昨年から早朝プレーや薄暮プレーをスタートさせた茨城の石岡GCでは、都心から離れているということもあり、当初は県内や茨城寄りの千葉の人たちで占められていたが、今年から早朝のスタートを6時30分にしたら東京や神奈川からの来場者が出てきたという。
「プレーヤーのニーズに合わせて変則スタートを設定し、選択肢を広げたことが功を奏したのでしょう」(前出・野中部長)
アコーディアと並ぶもう一つの外資系、PGグループでも、8月の通常プレーの利用者は前年より1割増加し、薄暮プレーはそれほど多くはなかったが、早朝プレーはどこのゴルフ場も好調だったという。
広報チームのトンプソン智子マネジャーは分析する。
「ニーズに応えて多様なプランを展開しているが、早朝プレーはプレーヤーの間で確実に高まっています」
好調の原因は暑さだけでなく、施設利用でロッカーや風呂の利用といった通常プレー並みの環境を整えたことが、重要な要因であったとも関係者は口を揃えている。
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