需要の落ち込む真夏に輪をかけて猛暑が直撃したゴルフ業界。しかし、日傘、首すじ保冷グッズなど暑さのおかげで思わぬヒットを飛ばしたグッズもある。
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7月中に完売したというキャスコのネッククーラー
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全国各地で最高気温を更新し、ついには熱中症の危険から屋外でのスポーツを控えるよう気象庁が警告を発したこの夏。
少しでも暑さや日射しをしのごうとするゴルファーの間で、様々な「クールグッズ」が人気を集めた。
ゴルフウェアの吸汗速乾素材は当たり前のようになっているが、今年は「ネッククーラー」が売れた。
水に浸してその気化熱でひんやり感じる小さな襟巻き状の手軽な商品だが、もっとも直射日光を受けやすい首すじをカバーするので効果は抜群。
ブリヂストン、ミズノ、アディダス、キャスコなどが同様の商品を販売しているが、7月中に今年の予定枚数を売り切ったキャスコをはじめほぼ完売状態で、オンラインショップでも在庫切れとなっている。
毎日の天気予報で紫外線指数が発表されるなど、紫外線対策に関心が集まっているのを背景に、日傘もよく売れている。
8月下旬に新潟で開催された「ヨネックスレディス」の会場でもギャラリー用に用意された日傘が金曜・土曜の2日間で完売。
「暑いことはわかっているので、それなりの対策はされてきているはず。予想以上に日射しが強かったということでしょうか」(ヨネックス広報・根岸さん)
今年の売れ筋の特徴は、しっかりしたUV加工や、軽いカーボンの骨を採用した高額商品に人気が集まっていることと、男性ゴルファーの需要が多いことだ。
前者はもはや日焼け対策が、ゴルフに限らず日常生活の中で常識化していて、紫外線防止効果が高く、一日中使用しても疲れにくいものを選んでいるためと考えられる。
また、後者はこれまで日傘を敬遠していた男性にとっても皮膚ガンなどの肌トラブルが切実な問題となってきたことを意味している。
意外な売れ筋商品は機能性下着だ。
ポロシャツを素肌に着るより涼しく感じられるため、夏でも着用者が増えているが、今年はさらに別の効果が注目されている。
前年比125パーセント(2~7月)の伸びを示したのはミズノの『バイオギア』だが、
「売れ筋は長袖のハイネックタイプで、日焼けそのものや日焼けによる疲れを防ぐために着用する人が多いようです」(ミズノ広報宣伝部・西田維作氏)
日焼け止めを塗ったり、日焼け後のケアに気を使う男性も増えている。
ブリヂストンがカネボウコスメリウムと共同開発した日焼け止め・サンケア商品「スポリウム」は、ゴルフ場やショップで気軽に買えるところから男性にも支持され、今夏は販売目標に対して110パーセントの好調さで推移している。
「季節商品は急な増産に対応できない」(メーカー関係者)ため、本来はもっと売れたはずとほぞを噛むメーカーは、早くも来年の増産計画を描きはじめている。
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