今年5月の男子ツアー、マンシングウェアKSBカップ。高校生ゴルファー、石川遼がプロツアー史上最年少Vを飾ったのはまだ記憶に新しい。15歳245日でのツアー優勝が、このほどギネス世界記録に正式認定され、来年度版の「ギネス世界記録2008」に掲載されることになった。
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自分の名を知ってもらえるのは嬉しい。と石川遼
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「ギネス世界記録」は1955年にイギリスで初めて出版された、あらゆるジャンルの世界一記録を集めた大事典。
これまでに世界37言語に翻訳、100カ国以上の国で発売され、通算1億冊以上売れている世界的ベストセラーだ。
今回、石川遼の記録は、セベ・バレステロス(スペイン)の日本オープン(1977年・20歳7カ月)、J・マクダーモット(米)の全米オープン(1911年・19歳10カ月)の最年少優勝記録をともに大きく上回る「プロゴルフツアーで優勝した世界で最も若い選手」として高く評価された。
ゴルフの項目で日本人が同書に掲載されるのは石川遼が初めてだ。
認定までの経緯を、ギネス・ワールド・レコーズ日本支社世界記録認定員の大朏(おおつき)純さんは、
「達成直後に優勝のニュースが世界中を駆け巡り、イギリスの本社に伝わるとともに、日本のファンや報道機関からの問い合わせが殺到しました。そこで、本社からの指示で日本ゴルフ協会や石川選手のお父様に年齢などの確認をして今回の認定が決定しました。
通常、『ギネス世界記録』に掲載されるには、記録を達成した本人か関係者からの申請が必要ですので、その意味で今回の石川選手の場合はレアなケースかも知れませんね」
ちなみに、記録としては、これまで丸山茂樹が2000年6月、全米オープン予選で1R58の快スコアを出したり、2003年、当時18歳のアマチュア、宮里藍がミヤギTV杯に優勝、また昨年8月、米男子ツアーのリノタホオープンで、宮里優作が1ラウンドで2回のホールインワンを出すなど、ギネス級の快記録を達成しているが、「ギネス世界記録」には掲載されていない。
記録が世界一かどうかということに加えて、「宮里(優作)選手の記録もギネス世界記録に値する快挙ですが、無申請なので掲載には至っていません。過去の記録であれ、どなたかが申請すれば認められる可能性はありますね」(大朏さん)。
先日、同書の出版元であるポプラ社(東京・新宿区)で行われたギネス記録認定証授与式に出席した石川遼は、「中学生の頃、友達と読んでいた『ギネス世界記録』に自分が載るとは夢にも思っていませんでした。将来、世界で戦えるプレーヤーになりたいので、今回『ギネス世界記録』に載ることで自分の名前を世界中の人に知ってもらえるのは嬉しいですね」と、喜びを語った。
気になる石川遼の今後だが、この秋、ジュニア競技のポロカップ決勝、東海クラシック、日本オープン、VISA太平洋マスターズへの参戦が決定している。
この中でも、石川遼が特に意識しているのは日本オープンだろう。
授与式の席上でも、
「開催コースの相模原CC東コースは、自分としては苦手なイメージがありますが、初出場できる幸せを噛みしめながら、現在の自分のゴルフがどこまで通用するかを試してみたいと思っています」
とコメント、大会に合わせて調整していくという。
さらに、来年1月の米ツアー、ソニーオープンに推薦出場の可能性もあるという石川遼。
日本の遼から世界のRYOへ。
これから先、どこまで飛躍するか、大いに楽しみだ。
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