スーパー高校生、石川遼の参戦で盛り上がりを見せている男子ツアー。その一方で、2部ツアーのチャレンジツアーやシニアツアーもホットな話題がいっぱい。今後の動きから目が離せないようだ。
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父と同日優勝した43歳、杉原敏一
(写真提供・JGTO)
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シード権を持たないプロにとって、今季11試合予定されているチャレンジツアーでランク7位まで与えられる”裏シード”が獲得できるかどうかは、まさに死活問題だ。
それだけに毎試合、熱い戦いが繰り広げられている。
そんな中、9月12~13日に南山CC(愛知県)で行われた「SRIXONチャレンジ」で杉原敏一が5打差の2位から逆転優勝、来季のシード獲得に大きく前進した。
90年にプロ入りして以来、未だにシード権を獲得したことがない、今年43歳の杉原は、試合後、「優勝できるとは思わなかった。今日は何か自分の力ではないようなものが働いていた気がした」と語ったが、杉原が優勝を決めたその日、父、輝雄にもそんな力が働いたのか、「日本プログランド・ゴールドシニア選手権」ゴールドの部(出場資格68歳以上)で、95年の日本プロシニア選手権以来12年ぶりの優勝を飾った。
しかも、最終日のスコア70は6月14日で70歳になった杉原輝雄にとって初のエージシュートというおまけ付き。
「エージシュート言うても年寄りの試合やからな。でも、初めてやから嬉しい」と笑顔を見せた杉原輝雄。
その後、敏一の優勝を知らされ、「子供の優勝の方がずっと嬉しいわ」と父親に戻っていた。
杉原敏一が優勝した「SRIXONチャレンジ」で2打差の2位タイに入ったのが中嶋常幸の長男、中島雅生だ。
7月に行われたチャレンジツアー第5戦「カニトップ杯チャレンジ」で優勝、杉原敏一同様、来季のツアー出場権獲得の可能性を大きくしている。
その中島は、先月、森永高滝CC(千葉県)で行われた「2007年度PGA資格認定プロテスト」でトップ合格を果たした。
現在のシステムでは、プロテストに合格しなくても日本ゴルフツアー機構の試合出場予選(QT)で上位に入れば翌年の出場資格を得られることになっており、中島はその資格でチャレンジツアーに挑戦していた。
しかし、「プロである以上、プロテストは受けるべき」という父のアドバイスで今回の受験を決意。その結果が75年トップ合格の父に継ぐ、史上初の親子2代のトップ合格という快挙に繋がった。
この他、チャレンジツアーでは、昨年、シード権を失った横田真一が「エバーライフカップチャレンジ」「望月東急JGTOチャレンジⅠ」で優勝、来季のシード権獲得をほぼ確実にしている。
ベテランや2世ゴルファー、新人たちがしのぎを削り合う2部ツアー、どうやら最終戦の「PRGRカップファイナル」(10月18~21日)までまだ何かドラマが起こりそうだ。
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