今年から来年にかけて、千葉県で続々とゴルフ場が新規オープンする。バブル期に建設計画が浮上し、その後許認可をとったまま着工すらされていないコースや、着工はしたものの工事が中断してしまったコースは数多い。今も未着工のままのコースは全国に80コース以上。そんな中、なぜ千葉で開業ラッシュなのか。
千葉県内で少なくとも年内のオープンが確実視されているのは4コース。
まずは4月オープン予定の千葉バーディ。三越が全面的にバックアップしていた旧八街CCを、ユニマットリバティが引き継いだ。
東関東自動車道・佐倉ICから18分という好立地。
平成7年に開発許可を取得、着工もしたが、事業主体の内野屋工務店の破たん、全面的にバックアップしていた三越の事業意欲喪失などで、長らく工事が中断していた。
次が6月1日オープン予定の芝山グリーンヒルGC(仮称)。
リクルートコスモス(現コスモスイニシア)が手掛け、平成12年に許認可を取得していたものを、平成18年4月にPGGIHグループが引き継いだ。
特徴は「クラブハウスをコンパクトなアメリカンタイプにしたり、練習場を充実させるなどの工夫をしています」(PGGIH広報)
が、ここも最大のウリは、東金道路・松尾横芝IC、東関東自動車道・成田ICいずれからも5キロという交通アクセスの良さ。
間もなく会員権の募集が開始されるはずだが、千葉バーディが1000万円超の価格設定だっただけに、募集価格がいくらになるのか注目される。
三菱地所と東急不動産の共同開発で、今秋オープン予定なのが「ちばリサーチパーク」。
開発許可取得は平成8年。フラットな地形に、トーナメントの開催要件を満たす本格的なチャンピオンコースを誕生させるという。
ここも東関東自動車道・佐倉ICから6キロ、箱崎ICからは50分という好立地。
もう一カ所、今秋のオープンを予定しているのが、パブリックでの運営を予定している千葉市所有の千葉市民ゴルフ場。
ここだけは生い立ちが異なる。元々は家庭ゴミの最終処分場で、昭和46年からゴミの埋立を開始、平成9年まで続いた。
ただ、最終処分場を廃止するためには、埋立終了後も場内の水質が周辺と同レベルになるまで、汚水処理施設を整備、周辺地下水を定期的に検査するなどの維持管理を行わなくてはならない。
処分場の上に建物を建てることも出来ない。
年間1億8000万円にも上る維持管理費を捻出し、なおかつ43ヘクタールもの土地を有効活用するために考え出された結論が、ゴルフ場経営だった。
運営は指定管理者制度を使って募集、来年3月の議会で指定業者が正式決定する。
ここも立地は良く、成田街道(国道51号線)吉岡交差点から2キロの場所にあり、千葉市中心部から車で30分もかからない。
かつて東鳩グループ傘下にあった時代に許認可を取得していた「和泉の郷GC」(仮称)も、昨年秋に工事を再開、来年春の開業を目指している。ここも東金道・中野ICから3分。
このほか、県東部などでも工事を再開しているコースは少なくない。
千葉県内で続々とコースの新規オープンが続く最大の要因は「道路の整備が進んだことによる立地面での利便性向上」(ゴルフダイジェスト社会員権サービス部・田嶋一弘課長)にある。
昨年3月には、アクアラインが木更津JCから木更津東まで伸び、来年には木更津東から市原南、茂原長南まで圏央道が開通する。
さらに圏央道は茂原長南から茂原北、東金道路の東金ジャンクションまでは平成22年には全部開通する予定。
そうなれば千葉県中央部から東部にかけての地域の利便性が格段に上がるだけでなく、アクアラインから東金道にも抜けられ、千葉県北部の利便性も向上する。
千葉のゴルフ場開業ラッシュは数年は続くかも?
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