昨年、ツアー史上最年少優勝記録を達成して以来、ゴルフ界に明るい話題を提供し続けている石川遼。その石川が唯一、ファンに苦言を呈されたのが昨年8月、フジサンケイクラシックに参戦した際、迷彩柄のカーゴパンツでプレーした時だった。その迷彩柄、そしてカーゴデザインのパンツがツアーで禁止になるという。
フジサンケイクラシックの折、男子ツアーを主管するJGTO(日本ゴルフツアー機構)には、一般のファンから「ゴルフにふさわしくない格好ではないか」「だらしがない」などたくさんの苦情が寄せられたという。
そうした背景もあってか、JGTOは昨年12月の理事会で、今シーズンから迷彩柄のパンツと、両足の太ももの横に大型のポケットがついたカーゴパンツのツアー競技での着用禁止を決定、選手やツアー関係者などに文書で通達した。
「もちろん、石川君だけの件で、この決定が下されたというわけでは決してありません。それ以前にも迷彩柄のパンツやカーゴパンツでプレーする選手はたくさんいましたし、ファンの皆さんからの苦情もありましたから。ただ、今、石川君は最も注目を集める選手ですので、彼が迷彩柄のカーゴパンツをはいたことで、より大きな反響となったことは間違いないですね」(JGTO広報担当者)
当の石川自身は、フジサンケイの終了後、自らの服装に関して多くの批判が寄せられたことを厳粛に受け止め、今後ははくつもりがないことを明らかにしているので問題はなさそうだが、ウェアメーカーの方は、果たしてどう対処するのだろうか?
パーリーゲイツの発売元サンエーインターナショナルは、
「迷彩柄は3年ほど前を最後に今は出していないので影響はないのですが、カーゴパンツの方は今、主流になっていて、ほとんどがこのタイプです。ただし、今回の通達によると、カーゴパンツは全面的に禁止ではなく、横にポケットが付いていても膨らんでいなければOKということなので、どこまで許されるのかが分からない現状では、今後どうするか、しばらく静観といったところですね。契約プロである藤田寛之プロにも引き続きカーゴパンツをはいてもらい、どこまで許されるか試してほしいとお願いしています」
さらに、マンシングウェア、ルコックなどのブランドを持つデサントの見解はというと、
「今年春、夏の商品については、すでに半年以上も前に展示会を開催し、すでに商品を発注してしまいましたから、今さら禁止といわれても物理的にどうすることもできません。他社もそうだと思いますが、当社でもカーゴパンツは今、主力商品になっていますので、春、夏商品の動きを見て、ユーザーがカーゴパンツをこれまで同様、積極的に購買していただけるようであれば、秋、冬の商品でも、やはりカーゴパンツを扱うことになるでしょう。いずれにしても、結論は春、夏物の動きを見てからですね」
女子ツアーの動きはどうだろう。
「迷彩、カーゴパンツの規制はいまのところ考えていません」(LPGA=日本女子プロゴルフ協会・広報)
女子にもカーゴパンツ(キュロット、ショートパンツ)着用派は増えているが、今回の規制はどうやら男子のみ。
とはいえ、女子でもここ数年、あまりに露出度の高いウェアを着用したため、警告を受けるケースがあるなど、ウェアに関しては男子以上の問題があるのも事実。
女子は女子で問題があり、男子もカーゴパンツの膨らんだポケットについてはいまいちはっきりしない”グレー”ゾーンがある。
ウェアをめぐる問題は何かと厄介なのだ。
今後どうなるか、気になるところだ。
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