昨年、欧州ツアーでは賞金ランキング2位となったものの、米ツアーでは1勝もできなかったアーニー・エルス。今季は「流れを変える」ということで、余裕を持ったスケジュールを組む予定という。そこで、初戦は過去3勝と相性の良いドバイデザートクラッシックからとなったが、タイガー・ウッズに思惑がはずされてしまった。
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タイガー、いきなり2連勝とゼッコーチョー
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ドバイでは、むしろエルスよりも、最終日の最終12番からの7ホールで5つのバーディを取ったタイガーを褒めるべきなのかもしれない。
しかし、フロント9を終えた時点では、ほとんどのゴルフファンが、エルスの逃げ切りを予想していたのではないだろうか?
最終日「アウトで2打縮めて、今日は67~68のスコアが出ると思ったが、10番のパー5で、バウンドが悪くてバンカーに入ってしまった」のがケチの付き始めで、続く「11番では1.2メートル、12番では1.5メートルのパットをはずして」、2連続ボギー。
その後、13、14番とバーディを取ったものの、15番の時点で、タイガーに追いつかれてしまった。
この時、先にラウンドしていたタイガーは、18番で下りの7.5メートルのパットをねじ込んでバーディの14アンダー。
エルスは13アンダーで最終の18 番パー5を迎えたが、残り240ヤードを5番ウッドで2オンを狙ったボールが、風のために池ポチャ。
プレーオフのチャンスを逃して、結局71のスコアで3位タイとなってしまった。
「僕は、勝つためにプレーしている。そのとおりに、今季2戦して2勝、理想的なスタートだよ」とはウッズだが、初戦で勝って勢いをつけるはずのエルスが、逆にタイガーに勢いをつけさせてしまったというわけだ。
というのも、この試合の練習日(水曜)の1番ティで、タイガーは、「ドライバーのフェースにヒビを入れてしまい、予備のドライバーを使っていたんだ。基本的には、同じドライバーだが、予備のドライバーは、スピンがかかりすぎて、使いづらかった」というにもかかわらず、猛チャージの逆転優勝。
年間グランドスラム達成への自信をさらに深めたといえる。
同じ週、米ツアーのFBRオープンではフィル・ミケルソンが、プレーオフに敗れて2位。
これでワールドランキング1位のタイガーと2位のミケルソンの差は11ポイント以上に広がった。
どういうことかというと、20.43ポイントのタイガーとミケルソンの差は、9.18ポイントのミケルソンと、0.36ポイントで444位の石川遼との差以上になっているということなのだ。
数字の上では、石川遼がミケルソンに追いつくほうが、ミケルソンがタイガーに追いつくより簡単というわけ。
エルスにいたっては、ワールドランキングは4位だが、ポイントは、6.37でタイガーとの差は14ポイント以上だ。
ミケルソンもエルスも、すでに目標をマスターズにあわせて調整中で、今の時点での勝敗はそれほど重要ではないというようなことを語っている。
しかし、それにしても、ここ一番でパットをねじ込んでくるタイガーと、ミスショットをするエルスやミケルソンとの差は、少なくない。
話は変わるが、エルスとミケルソンには、共通点が多い。
久しぶりにエルスの姿を見て、太ったように感じたが、どうやらミケルソン同様に幸せ太りのよう。
年齢もエルスが38歳で、ミケルソンの37歳と近く、しかも、エルスは昨年3月にキャロウェイと契約しているから、2人揃って、同じメーカーのクラブを使用していることになる。
これで、重要な場面でミスをする、という以前のミケルソンの症状まで、エルスに伝染しているとしたら、どうもタイガーのストッパー役には、若手に期待をかけるしかなさそう。
同じ時期、キャロウェイの昨年の売り上げが発表されたが、総売上は、一昨年より10パーセントアップで、1株あたりの利益は、なんと昨年の倍以上とか。
キャロウェイの売り上げのように、エルスやミケルソンの実力もアップしてくれればいいのだが……。
アップしているのは体重だけ?
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