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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/8号
2008/3/28更新
強い不動の復活?
優勝の陰に絶妙のクラブチョイスがあった

 アコーディアレディスで今季早々と優勝を飾った不動裕理。フェアウェイを外さない安定したドライバーショットが際立っていたが、その不動優勝の陰に飛んで曲がらないドライバーがあった。


スワンネックパター(上)と ミズノMP600で優勝を勝ちとった

 31歳にして飛距離が伸びている印象を与えたドライバーショットは、ヘッドとシャフトのマッチングに秘密があった。

 不動のクラブを手がけているトミー山口(元水野のクラフトマンで現在フリー。イギリスミズノと契約している)が説明してくれた。

「イギリスミズノには、レーダー式弾道追尾システムの『トラックマン』があり、不動さんのスウィング(軌道やヘッドスピードなど)のデータを入力するだけで、ヘッドに合うシャフトを選ぶソフトに応用されているんです。

 まずヘッドは『ミズノMP600ファーストトラック』とし、これを使った場合の不動さんのスウィングに合うのは欧米で人気の『アルディラ』とコンピュータからはじき出されました。それから、クラフトマンの目で、さらに絞り込むという具合です。

 私の同僚で、もう1人のクラフトマンは昨年全英女子オープンが行われたセントアンドリュースで不動さんのスウィングを見ているので、私と意見が一致し、それでアルデラのVSプロトタイプになるのは容易に決まりました」

 昨年、女子ツアーのシーズンが終わって、英国から帰国した山口氏が不動に直接手渡すと、マッチングの良さに不動も驚いたほどだった。

 MP600は今年になって流行となっている「自分でできる重量調節タイプ」のひとつで、2つの可動式ウェートを動かして弾道調節できるモデルである。

 長年セイコーエスヤードの一般モデルを使用し、新しもの好きの印象はなかった不動に新しいクラフトマンがついたことで、最新システムや最新モデルで自分に合うクラブを 使うようになったところが目新しいというわけだ。

 さらにボールとのマッチングもハマった。これは偶然だったと山口氏は言う。

 今年米ツアーで話題のキャロウェイのニューボール「ツアーi」シリーズだ。「i」はオチョアが使用し、HSBC選手権で誰よりもボールが止まると大評判だったモデル。アニカ・ソレンスタムや上田桃子が使用する「ix」は弾道が強いと評判だ。

 不動が選んだのは「ix」で、ヘッドとシャフトにピッタリマッチ。飛距離が伸びたというのだ。もともとショットメーカーで、ボールが曲がらない上に、飛距離が伸びたら、「鬼に金棒」勝って当然の結果だった。

 また今大会は、ミズノの“スワンネック”パターを使用。すでに廃版モデルだが、これがグリーン上で決まった。強い不動の復活なのか、今年は不動から目が離せない。

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