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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/15号
2008/4/4更新
今週鳥取で韓国ツアー開幕戦が開催。なぜ日本で?
背景を探った

 米メジャーリーグ、レッドソックスとアスレチックスの開幕戦が東京ドームで行われたのに続き、今週、韓国男子ツアーの開幕戦までもが日本で開催される。しかも鳥取県米子で開催される。


韓国ツアーQT合格の前粟蔵も出場

 開幕戦の正式名称は「SBS韓国ツアー・エマーソンパシフィック鳥取県オープン」で、会場は鳥取県グリーンパーク大山ゴルフ倶楽部。4月4日から7日まで日本人選手を含め計135人が参加するという大規模なもので、韓国から選手や関係者など350名が来日する予定だ。

 スポンサーは韓国大手のゴルフ場運営会社エマーソンパシフィック社だ。このエマーソン社は一体どんな会社なのか?「エマーソンパシフィック社は北朝鮮金剛山にアナンテイゴルフアンドリゾートを建設した企業で、昨年秋にも金剛山で韓国男子ツアーを開催した実績があります。

 同社は韓国内にもヒルトン系ゴルフ場など数カ所を運営しています。今年5月には金剛山ゴルフ場に宿泊施設が完成、本格的なリゾートライフを北朝鮮で味わうことができます」(大会関係者)

 ところで韓国でなく、日本、しかも鳥取県米子で韓国ツアーが開催されるようになったきっかけは何だったのか?

 現在ソウルと米子間にはアシアナ航空が7年前から週3回就航しているが、3年前島根県が2月22日を「竹島の日」と制定したことに韓国民が反発、ソウル・米子便の利用客が激減した。

 おまけにウォン高を嫌う日本人観光客も減少して搭乗率が5割を下回り、昨年夏には米子便存続の危機に陥った。そこでアシアナ便利用促進のためのウルトラC策として県当局や地元商工会議所や観光業者などが考え出したのが米子での韓国ツアーの開催計画だ。

 それでも開催までには多くの難関があった。350人以上の選手や関係者を来日させるためのビザ手続きに時間がかかったり、外国からの賓客を迎えるための宿泊施設を確保するのに観光業者内部ですったもんだしたという。おまけに地元にどれだけ観光収入が落とされるかも不透明な状態だ。

「選手は一人100万ウォン(約10万円)を自己負担、残りの経費はエマーソン社が負担するという話です。韓国からは新人王キム・キョンテを初め、韓国プロのフルメンバーがやってくるといいますが、ほとんどは日本人にとって無名の選手ばかりです。

日本人選手が15名プレーするといいますが、名があるのは17歳の前粟蔵俊太くらい。前売り入場料が3000円で、日本人ギャラリーの動員は期待できません。最初から韓国ツアー開催ありきで赤字覚悟のようです」

 しかし韓国ツアーを強行するには韓国側にも十分な計算があるようだ。

「韓国は男女とも、海外ツアー開催に非常に積極的です。女子ツアーはハワイでSBSオープンなどを開催していますし、男女とも今後中国ツアーを開催する計画がいくつもあります。

ゴルフツアーの国際化という点では韓国がもっとも積極的ですね。来季から韓国、中国、豪州、日本でツアー機構を作ろうという構想がありますが、韓国が一番積極的です。かつて1988年ソウル五輪を開催したとき、名古屋を相手に招致運動で勝利したときのような情熱ぶりです」

 派手な韓国ツアーの動きの裏で日本ツアーが地盤沈下しないことを祈りたい。

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