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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/6号
2008/4/24更新
タイガーのマスターズは花粉症との戦いだった!?
敗因ディープチェック

 マスターズで単独2位。これが日本人だったら、大騒ぎになるのだろうが、年間グランドスラムを狙っていたタイガー・ウッズとなると、2位という成績では不十分。何が敗因だったのか? 本誌が明かすタイガーの敗因――。

 ウッズ本人の敗戦の弁は、「とにかく、ショートパットが、うまく転がってくれなかった。いろいろ試したが、いつものようなリリースができない。ここ(オーガスタ)では、完璧にラインに乗せて打たないと、どんなパットも入らない。ロングパットは、うまく打てていたし、距離も合っていたがラインが完璧ではなかった」


花粉症にひざ関節痛、これがヒビいた?

 またこうも言う。「最後の7ホールで、3つスコアを伸ばせば、何とかなるのではないかと思ってはいたが、それができなかった」

 パー5の13、15番とそのほかで、どこかでバーディを取る計算でいたのだろう。実際、そのとおりにできていれば、プレーオフに持ち込めた。しかし13番で1メートルのバーディチャンスをはずし、14番では3パットのボギー。

 この時点で、トップのT・イメルマンと6打差がついて、勝敗は決まってしまっていた。つまりは、ウッズの直接の敗因は、本人が語るように、ショートパットということになる。

 ただ、ウッズの4日間を振り返ってみると、やはり初日に、イーブンパーと、攻め切れなかったことが、後々まで響いたといえるだろう。初日は、ウッズの次の組でラウンドしていたジャスティン・ローズが、イメルマンとともに4アンダーで、リーダーボードのトップにいた。

 つまりは、さほど、コンディションが悪かったわけではないのだ。そのローズが「初日は試合に勝つことは出来ないが、負けることはある」と語っていたが、ウッズは勝つことを意識するあまり、慎重にプレーしすぎたのではないだろうか?

 試合後、グランドスラムのことを聞かれても、「何も言わない。マスコミからいろいろ教わったからね」と語ったのは、年間グランドスラムに関して、マスコミが大きく取り上げていたことから、それがプレッシャーとなって跳ね返ってきていたからだ。

 マスターズには、勝つのが当たり前のような雰囲気が出来上がっていたのだ。逆に言えば、負けるわけにはいかない試合。ちょっと気を抜けば、何が起こるかわからないオーガスタで、初日は慎重にならざるをえなかったのだ。

 実際、初日のウッズのフェアウェイキープ率は、71.4パーセントと今年の米ツアーでの自身の平均を15パーセント以上も上回っていたのだ。どれほど丁寧に、ボギーを叩かないプレーをしていたかが分かるだろう。

 ところが、2日目はイメルマンがプレーした早いスタートと、ウッズの午後の遅い時間のスタートでは、風やグリーンの乾き具合などのコンディションが大きく異なり、イメルマンがさらに4つスコアを伸ばしたのに対して、ウッズは1アンダーにするのがやっとだった。

 もうひとつ気になる点があった。本人は語らないために推測の域を出ないが、花粉症のアレルギーが出ていた可能性があった。

 インタビューの最中に鼻をすする回数がかなり多かったし、プレー中にも、目頭を押さえるしぐさが何度か見られたからだ。もともとが果樹園だったオーガスタにはさまざまな花が咲くが、今年は例年に増して、満開の花が多く、それが風に舞っていたのだ。

 加えて、コーチのハンク・ヘイニーに言わせると、「これが影響したとは思えない」ということなのだが、ウッズは、マスターズの直後に左ひざの関節の手術を行った。

「痛みは昨年の夏ごろからあった」(マネジャーのM・スタインバーグ氏)ということで、これも何らかの影響を与えていたのかもしれない。

 とはいえ、上位陣がみなスコアを落とすなかで、最終日イーブンパーだったタイガー。

 今大会は、むしろウッズのの敗因を探すというよりも、4日間を通して、ドライバーの飛距離、フェアウェイキープ率、パーオン率、そして平均パット数とすべての統計でウッズを上回っていたイメルマンを、ほめるべきなのだろう。

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