男子ツアーの国内開幕戦、東建ホームメイトカップを盛り上げたのは、何といってもプロ初戦となったスーパールーキー、石川遼だ。その石川遼の人気は、クラブやウェアの契約先、ヨネックスにも波及している。ツアー第1戦を終えたヨネックスの“経済効果”を追った。
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クラブからシャツ、シューズまで、ヨネックスはしっかりモトをとった!?
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同社には、大会中、石川遼が着用したウェアなどに関する問い合わせが21日の月曜日1日だけで30件以上もあり、1日中、電話が鳴り続ける状態だったという。
「最も多かったのがレインウェアへの問い合わせで、次いで、シャツ。さらに、日頃はほとんどないシューズについての問い合わせも4、5件ありました」(ヨネックス取締役企画宣伝部長・山本美雄氏)
同社では4月末から石川遼着用のポロシャツ2色とカラーパンツ6色を発売するが、注目は赤のパンツ。
今までは赤のパンツが売れるなどということは、ゴルフ界の常識では考えられないことだった。同社はもちろん、他社でも一度も取り扱ってこなかった色味だけに、赤パンツの発売は、ゴルフ業界にとって歴史的といってもいい出来事だ。
石川遼自身は、試合中、大事なところでは赤を着たいと常々公言。先日の開幕戦でも、3日目に赤を基調としたウェアで、試合に臨んでいた。
「開幕戦は最終日に最終組で回るということを目標にしていたようですから、3日目を勝負どころと考えて赤色のウェアにしたのではないですかね。優勝した宮本選手も、遼くんを意識したのか、3日目、4日目と赤やオレンジを着用していていましたが、遼くんと色がかぶらないかということを心配していたようです」(山本氏)
ちなみに、発売予定のウェアは、すでにインターネットなどでの予約が殺到しているそうだが、石川との契約を締結して以来、ヨネックスのゴルフ部門の売り上げも石川遼仕様のクラブ2000セットがアッという間に完売するなど絶好調。
この他、昨年1年間で200本しか売れなかったキャディバッグが、早くも2000本売れ、今人気の機能性シャツも、3日目に着ていたことで、売り上げをさらに伸ばしているという。
石川遼はモックネックのシャツの下に着用していたが、伸縮性、保温性に富み、これから梅雨寒の時期にもぴったり。
すでにプロやトップアマには浸透しているが、これからのシーズンでブレークする可能性は大。
これらの売り上げを見込んで、同社では、これまで年間30億円程度だったゴルフ部門の売り上げを、「今年は最低でも前年比2割アップを見込んでいましたが、今の調子なら、もしかすると、もっと行くかもしれませんね」(山本氏)と嬉しい修正も。
同社にしてみれば、まさに、「石川遼様々」といったところかも。
これまでのヨネックスのゴルフグッズというと、クラブは別として、ゴルフファンの間では、何となく“ビミョー”なイメージがつきまとっていたブランドであったことは否めない。
しかし、それでも石川との契約を機に、今やファンの注目を集めるトップブランドへと変身しつつあることは間違いない。
こうして見てくると、5億円とも6億円(推定)とも言われる契約金も決して高くはないだろう。
ともあれ、石川の出現でゴルフファッションが大きく変わりつつあることは事実。今後も新たなトレンドを次々に生み出していきそうだ。
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