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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/8号
2008/6/26更新
視聴率、変則放映時間など
報道されないもう一つの全米オープン

 全米オープンでのテレビ視聴率が日米とも好調だった。日本ではテレビ朝日で放映されたが、決勝ラウンドの2日間は朝8時から10時までの放送とあって、共に5パーセントを超え、タイガー・ウッズがプレーオフ突入を決めた最終ホールでのバーディパットの時は瞬間最高視聴率8.3パーセントを記録した。新聞・テレビで報道されなかった、知られざる全米オープン裏情報を追った。


ギャラリーは1週間で30万人超。 日本では考えられない試合だった

 トーレ・パインズGCで開催された全米オープン。3日目土曜日の米国における視聴率は昨年比15パーセントアップの5.3パーセント。日曜日にいたっては、21パーセントアップの8.5パーセントで、全米オープン史上3番目に高い視聴率を記録した。

 しかも、タイガーが吠えた18番ホールでのバーディパット、72ホール目でプレーオフ進出を決めた瞬間には、なんと13.5パーセントの高視聴率を獲得していた。

「タイガーとロッコ・メディエイトがリードする形で、近年最も記憶に残るような決勝2日間のゴルフを視聴者に与えてくれたことに感謝するとともに、その結果にエキサイトしている」と語ったのは、NBCスポーツのトップ、ディック・エバーソル氏。

 やはり、タイガーが活躍したことが、視聴率アップにつながったことは、疑う余地がないが、もう一つ大きな要素としては、ニューヨークなど米国東海岸のプライムタイムに放映されたことも見逃せない。

「2000年のペブルビーチは、霧などのためにスタートが遅れ、結果的に東海岸ではプライムタイムの放送となり、それが好結果を生んだ。だから、今年も東部時間に合わせた放映に、期待していたんだ」と語っていたのは、ロス在住のジム・バーノンUSGA会長だ。

 全米オープンが南カリフォルニアで開催されるのは60年ぶり。今回の試合が成功すれば、伝統的な東部の名門プライベートコース開催の流れも変わってゆく可能性が高かっただけに、バーノン会長にとっても、視聴率が気になるところだったのだ。

 通常、西海岸で開催される試合は、午後3時頃に終わらせるスタートタイム(東海岸と西海岸の時差は3時間)がとられる。つまり、週末は東海岸で午後6時まで、遅い時でも7時半までというのがゴルフ中継の常識だった。しかし、今回は東海岸で土曜日は午後4時から夜の10時半まで、日曜日は3時から夜の9時まで放映されていた。

 このせいで、日本の放映時間も“変則”となったわけだ。

 ちなみに、これまでの全米オープンの視聴率のベスト3は、1位が02年のベスページ(9.3パーセント)、2位が00年のぺブルビーチ(8.8パーセント)、3位が今年のトーレ・パインズになる。

 結果的には、3試合ともタイガーが優勝した試合だったが、もう一つの共通点は、3コースともに会員制プライベートクラブではなく、誰もがプレーができるコースだったということだ。数百人のメンバーとその知り合いしかプレーが出来ない名門コースよりも、なじみのあるコースの方が、やはり視聴率も高くなるということなのか。

 実際、トーレ・パインズでの観客数は、全米オープン史上最高の29万5357人を数えた。サンディエゴの市営コースとあって、都市部に近いことも幸いしたのだろう。

 月曜から水曜日まで平均で2万3000人、試合が始まった木曜日からは毎日平均5万1000人を超える観客が来場。しかもこの数字には、ギャラリーが無料で連れて来られる12歳以下の子供は含まれていないというのだから、プレーオフを含めれば30万人は超えているはず。

 加えて、「チャンスを生かせなかったが、これまでの全米オープンのなかでは、もっともフェアなセッティング」とミケルソンが語っているように、従来の全米オープンにはなかったセッティングでも、注目を集めた。

 全米オープン史上の最長の7643ヤードとは言え、ショットにバラエティを持たせるために、614ヤードの13番ホールを539ヤードにしたり、435ヤードの14番パー4を日によってティグラウンドを変え269ヤードの、ドライバーでも届くようなパー4にしたりと変則的なセッティングで、楽しませてくれたのだ。

 結局、タイガー、パブリック、プライムタイム、セッティングなどの要素が重なって、今回の全米オープンは大成功。タイガーは、ひざの問題で今季の残りの試合には出場しないと表明したが、となると、この全米オープンが、今年最高の試合ということになる?

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