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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/12号
2008/7/31更新
増便で賑わう福島空港周辺ゴルフ場
来場者の8割が韓国人のサプライズ

 韓国のゴルフブームに乗って、福島空港のソウル路線が順調だ。5月22日に週5往復に増便されたばかりだが、この7月1日から8月29日まで週2便増え、同空港初の国際線が毎日運航となった。期間中は3500人の利用客増加が見込まれている。この利用客はほとんどがゴルファーで、同空港周辺のゴルフ場は韓国人ゴルファーで満員という驚くべき状態になっている……。


韓国人ゴルファーで賑わう TAIGACCの大玉コース

 韓国人ゴルファーの大挙襲来は、招客のため5、6年前からの取り組みが功を奏し、多くの地方空港が運営で苦戦を強いられるなか、官民一体での動きがここにきて好結果を生んだといえる。

 2005年から3年間の同県での外国人ゴルフ利用客数は、05年6905人、06年2万6935人、07年は5万8059人と大幅増加を記録している。もちろん国別でも韓国が99.7パーセントの5万7867人と圧倒的多数を誇る。

 韓国でのゴルファー人口は約300万人といわれ、06年段階で海外へのゴルフ旅行者が40万人を突破、年率10パーセントの成長率を示しているという。

 同国内でもゴルフ場建設は急ピッチで進んでいるが、このゴルファー人口からすると400~500コースは必要といわれ、現在約350コースとまだまだ需給バランスが間に合わないくらいゴルフ熱が高まっており、それだけに日本をはじめとして海外のゴルフ場への利用は高まるばかりだ。

 福島県内のゴルフ場数は62。そのうち韓国人がよくプレーするゴルフ場は約1割という。なかでも人気が高いのが矢吹町の「アローレイクCC」。空港から車で15分、来場者の8割が韓国人ゴルファーで昨年は約1万人が来場、宿泊設備も完備され、2~3泊で7~8万円のパックツアーが中心という。

 また、TAIGACCの3コースは韓国資本だが、大玉、勿来(なこそ)、那須のうち大玉はアローレイクCCに次ぐ韓国人ゴルファーの多さを誇る。空港から車で約1時間の距離。支配人の田中幸夫氏はこう語る。

「スタッフも韓国人を揃え、ハングル語の表記も多くし、韓国人を接客するための訓練も重ねてます。その効果が生きて来場者は順調に伸びてます」

 その他、マーサリゾートGCなどが韓国人に人気のコースだ。

 人気の秘密としては、プレー料金だ。韓国国内ではプレーフィが高騰し、平日なら5000円~6000円ぐらいで往復航空運賃2万円を払っても日本に来たほうが安いという事情がある。

 不景気が続き、厳しいゴルフ場経営を強いられるなか、空前のブームに沸く韓国から招客することは、地方のゴルフ場にしてみれば窮余の策ともいえる。

 ただ、韓国人ゴルファーが増えれば、日本人ゴルファーが減るということも考えられる。匿名を条件にあるコースの支配人は「会員の中にはあまり多いのは嬉しくない」という声があるのも事実。そのあたりは、パック客ではなく個人客であれば日本人に嫌われないとして、門戸を広げているゴルフ場は少なくない

 この24日、前出のアローレイクCCではアシアナ航空の協力を得て「日韓親善ゴルフ大会」が開催され、韓国側が160人、日本側が120人参加して行われた。これを機会により交流を深めたいと目論む。

 同県観光交流課の橋本公和氏は、「韓国人を受け入れられるゴルフ場を増やし、もっと誘致を促進したい」と意気込む。

 とはいえ、増えすぎた外国人ゴルファーに嫌悪感を示す日本人も多く、難しい問題を抱えながらの誘致になるのは間違いない。

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