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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/19・26号
2008/8/7更新
賞金女王争いにちょっと待った!
帰ってくる上田桃子 vs “FF”(福嶋・不動)勢

 8月、国内女子ツアーに一石が投じられようとしている。いうまでもなく、米ツアーから帰国参戦する上田桃子だ。それを迎え撃つ国内組だが、同世代の人気・実力選手が賞金レースの団子状態からなかなか抜け出せないでいるなか、ここにきて30代の福嶋晃子と不動裕理がシーズン後半の主役になるのでは? という声が上がっている。


今季国内1勝の上田(左)に対するFF勢。(中)不動、(右)福嶋

 まずは、注目の上田桃子の国内戦スケジュールだが、全英女子オープン明けのアクサレディスからいきなり出場する。その後は、一週置いたCATレディスへの出場を予定している。

 米ツアーでは、期待された優勝には手が届かなかったが、全米女子オープンで優勝争いにからむなど7月27日現在、賞金ランキングが約32万7900ドルを稼いで41位、シード権もほぼ確実、世界に通用する実力のほどは十分に披露してきた。

 それだけでもファンの注目は集まるが、さらに6月にスポット参戦したサントリーレディスでいきなり優勝。あの劇的な1勝で、ファンが寄せる期待はますます高まることになった。もちろん実力的にも、国内にじっと腰を落ち着けてプレーすれば、今後、複数勝利する可能性もある。

 その上田の活躍を簡単に許すわけにはいかないのが国内勢。その筆頭株は、古閑美保でも横峯さくらでもなく、福嶋と不動の“FF”勢を秋の主役に推す声が高まっているのだ。

 いうまでもなく、ともに元・女王で、今季はともに2勝を挙げ、福嶋は賞金レースのトップを走っている。

 2人が上田の前に立ちはだかると見る大きな理由は、やはり豊富な経験。若い選手たちが上田を意識するようなことがあれば、試合にしても、賞金レースにしても、冷静に対処できる2人が有利になるのは間違いない。

 しかし、若手にとって上田の参戦は、それほど大きな刺激なのだろうか。

「そんなことはないでしょう」と語るのは、テレビ中継のレポーターも務める山崎千佳代プロだ。「今の若い選手は、皆、明確な目標を設定し、しっかりとした目的意識をもってプレーしています。だから、ライバルは自分であって、他の選手ではありませんから」。

 上田によって、プレーが影響されるようなプレーヤーはまずいないという。

 ゴルフプロデューサーの戸張捷氏も同様、「上田の参戦に影響を受けるようであれば、賞金レースを優位に戦う資格はない」と語る。

 ただし山崎プロによれば、上田の登場でメディアもギャラリーも、より女子ツアーに注目するようになるだろうから、そのヒートアップが、彼女たちの闘志を掻き立てたり、モチベーションを高めたりと、間接的な影響はあるかもという。

 そうなれば、やはりFF勢の経験値の高さは、大きな強みとなるはずだ。なかでも、現状は福嶋の充実ぶりが目立つ。全英女子オープンを回避し、国内に専念する姿勢を見せる一方、周囲からは「(福嶋は)口に出していわないけれど、もう一度、輝いてみたいと思っているんだと思います」と、彼女のトップを狙う心情を忖度する声が聞かれた。

 そして、彼女自身、「ボールを操る感覚は、(賞金女王になった)96年、97年の頃に近い感じになってきてます」と、シーズンの主役になる確かな手ごたえを感じている。

 片や不動のほうは、リゾートトラスト、サントリーと10年ぶりに2戦連続予選落ちしたものの、その後は「やる気まんまん」(不動)で、7月の明治チョコレートカップできっちり2勝目を挙げている。上田を包囲するFF勢から目が離せない。

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