7月から8月のお盆週間終了までの期間、最高気温30度以上の真夏日は38日。25度以下の日は1日もなかった(東京地区)。猛暑だった昨夏は冷涼グッズが売れに売れたが、今年もまたブームに乗り大売れしているという。だが、この猛暑の期間のゴルフ場の入場者は、どうだったのだろうか。
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涼しさで集客が良かった菅平グリーン
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ブリヂストンスポーツによると、水に浸してその気化熱でひんやり感じさせる「ネッククーラー」は昨年比の約3倍、腕に付けて日焼けを防いで冷涼感もある「アームカバー」は2倍、日傘は125パーセント、日焼け止め「スポリウム」は6月時点で欠品となり、130パーセントの売れ行きという。
SRIスポーツでも、アームサポーターは人気で、色も白と黒にピンクを加えファッション性も強調し前年の1.5倍という数字を示す。
専門店のヴィクトリアでは、ネッククーラーや日傘は昨年の2倍の売れ行き。主因としては、暑くなるのが早かったのとブームも手伝っての好成績と見る。
冷涼グッズは今年もどこも押しなべて絶好調だった。さて、ゴルフ場の集客状況はどうだっただろうか。
昨年8月に国内最高気温40.9度を記録した岐阜県多治見市にある多治見北GCの北風二郎支配人はこう悔しがる。
「全国的に名前が広がり、そのせいか7、8月の集客は散々でした。暑いという印象がよぎったのか、5月の予約が夏が近づくにつれキャンセル続出。夏場はコースの名前を変更したい気持ちになります」。ただし、これはどちらかといえば例外(?)のケース。
かなり暑いと思われ敬遠されがちな河川敷のコースはといえば、古河GL(茨城)では、「7月はそこそこ入りました。8月は少し落ち込んだ程度。早朝・薄暮プレーがあり、基本的に乗用カートでフェアウェイ乗り入れもOKなので、猛暑の影響はそれほどでもなかった」と強調する。
ノーザンCC錦が原(埼玉)は、「昨年比110パーセントの入りで、特別増えたというわけではない。ただ早朝プレーの浸透度は高く、予約が埋まるのはかなり早くなった」
避暑地のゴルフ場としては、標高が日本一の菅平グリーンゴルフ(長野)では次のように言う。
「昨年と比べて2割増しぐらい。かなり来場されていました。標高1658メートルで温度も東京など下界と比べれば、10度ぐらいは低いですからね」
太平洋クラブと共同でハワイ旅行が当たるスタンプラリーを行っている東急不動産では、「天気がいいこともあって来場者数はおおむね好調でした」
猛暑もさることながら、天気が良かったことが奏功しているのも確かなようだ。昨年よりも入場者数で伸びを示したところは少なくない。
22コースを持つリソルは、前年比117パーセントと奮闘。同社運営部ゴルフ営業課マネジャーの富樫孝之氏はこう分析する。
「グループ全体では7、8月とも好調でした。ただ前年比で落ち込んだところも数コースありました。メンバー主体のコースでは、シニアが多いこともあり、酷暑が嫌われ、プレー費も安くしなかったところは、苦戦したようです。しかし、何といっても晴天が続いたことが、大きかったといえそうです」
アコーディア・ゴルフとPGMも共に好調で、同様に好天に恵まれたこと、早朝・薄暮プレーがほぼ定着したことを挙げる。
来場者は、天気がよければ暑くても出かけるし、暑さをしのぐプレースタイルの選択肢が増えたことやいろいろな冷涼グッズの出現が、暑さ対策を万全にしていることは確実なようだ。
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