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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/28号
2008/10/17更新
トッププロ軒並み欠場の秋季シリーズ
今田竜二が積極的に出場するワケ

 今田竜二が日本人初の快挙を目指して、進撃中だ。トッププレーヤー達の大半がオフとなっていることから、日本では、ほとんど報道されなくなってしまった米PGAツアーの秋季シリーズ。しかし、試合を追っていると、これが結構面白い展開になっている。


調子は上向き、もう1つ勝ちたい今田

 秋季シリーズの第2戦、ターニングストーンリゾート選手権では、ルーキーのダスティン・ジョンソン(24)が優勝し、賞金ランキングを一気に128位から41位にアップさせ、来年のシードを確定させた。

 トッププレーヤー達が、ほとんど出場しないために、新人や下位のプレーヤー達にもチャンスが生まれると同時に、勝てば2年間のシードとツアー優勝の自信が得られることから、秋季シリーズが、ルーキーなどのジャンプボードとなって、将来のスターが生まれることもあるのだ。

 しかし、この試合でジョンソンと並んで注目されたのは、今田竜二だろう。この試合、2打及ばずに3位タイとなったが、そもそも、なぜ参戦したかが、疑問だった。

 というのも、先のツアー選手権終了時において、賞金ランキングは、273万ドルを稼いで14位(ターニングストーンで13位にアップし、獲得賞金も297万ドルとなった)。

 来年のすべてのメジャーの出場権も確保している。このあといくら頑張っても賞金王には届かないだろうし、得るべきものはすべて手に入れてしまっており、あえて出場する意味がないからだ。

 実際、ツアー選手権に参戦したプレイオフのトップ30のプレーヤーで、ターニングストーンに参加したのは、今田を除けばR・アレンビーとC・ペターソンの2人だけだった。

 ところが、本人によれば「もう1勝するという大きな目標がある」ということがある。青木功は米ツアー1勝だし、丸山茂樹もツアー3勝とはいえ、2001年から2003年までの3年連続優勝で、年間2勝というのは日本人ではまだ誰も成し遂げていない。

 今田は、春先に2位が2回、5月のAT&Tクラッシックに優勝したものの、全英オープンと全米プロを含めて3試合連続で予選落ちし、不調ではないかとささやかれていた。

 それに対して「なぜかはわからないけれど、いつも夏場は調子が悪い。6、7、8月と毎年苦労しているように思う。でも今は10月。寒い季節となると、いい感じなんだ」(今田)という。

 加えて「過去数週間、特に先週(ツアー選手権で)つかんだものがあった。(そのフィーリングで)今週もプレーできたし、今週はグリーンがソフトで、一定の距離を保っている限り、グリーンに乗せるのはそんなに難しくなかった」ということで、全英と全米プロでは、38パーセント台だったパーオン率を、なんとターニングストーンでは、69パーセントにまでに上げているのだ。

 夏場は不調に泣いたが、プレーオフの2戦目あたりから感じを取り戻し、ようやく波に乗り始めたということなのだろう。それだけに、このままオフシーズンとするのが惜しいし、日本人初の米ツアー年間2勝という目標もあり、むしろ秋季シリーズを休む理由がない、ということになる。

 それに、秋季シリーズでは、今田が勝てるチャンスは十分すぎるほどある。確かにアレンビーの方が、今季の賞金ランキングではひとつ上だが、37歳のアレンビーにすれば、そろそろ疲れがたまってくる頃。

 ということは、今田が残り4試合(すべてに出場するわけではないだろうが)、今季のランキングでは最高位で、出場する可能性も十分にある。調子が上向きで、自分より上のランクのプレーヤーがいないとなれば、どの試合に勝ってもおかしくない、というわけだ。

 この19日に32歳となる今田、男子のプロゴルファーとしては、ちょうど脂が乗ってくる時期だけに、ここはガンガン飛ばしてもらいたいもの。

 今季2勝すれば、AT&Tで得た2年シードに加えてもう1年のシードを確保できる。つまり35歳まで、シードを気にせずに、攻めのゴルフができる。

 ここは是非、もう1勝して、来年の活躍につなげたいものだ。

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