キヤノンオープンで21位に入り、3試合予選落ちから脱した石川遼は、早々に来季シードを確定させ、日本オープンでも2位と優勝を期待させる位置で大活躍。これでルーキーに贈られる新人王(島田トロフィー)ナンバーワン候補に躍り出た。
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また新たな勲章が獲れそうな石川遼
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ルーキーとはプロ宣言して出場した年から3年以内、競技数30試合未満が資格を持つツアーメンバー。今年1月にプロ宣言した石川遼は当然ルーキーだ。
新人王は「賞金ランキング30位以内」、「優勝」、「平均ストローク」の上位、3つのカテゴリーのポイントを合算して、最上位に与えられ、昨年は、平均ストロークで10ポイントを獲得したイ・スンホが受賞している。
しかし、今年はキヤノンを終えて、ポイントを獲得した者が誰ひとりいなかった。石川遼もその時点で賞金ランキング43位。ルーキーの資格を持つ松村道央が「最初から狙っています」と意気込むだけに同31位でポイント獲得にもっとも近かったが、まだ得られていなかった。
貞方章男はそれ以前にはポイントを獲得していたもののその前週までの同28位から35位に後退し、ポイントが消滅。
チャレンジツアーで今季2勝、コカ・コーラ東海クラシックで2位の池田勇太は日本オープンで15位タイと活躍、チャンスがあるように見えるが、池田はプロ宣言だけでなく、JGTOにツアーメンバー登録しないと資格を持てないため、現時点では枠外。今日明日でも登録できるため、登録すれば候補のひとりになる。
日本オープンの最終組で片山晋呉と優勝争いを演じた上井邦浩は44位へ大きくジャンプアップ。が、上井の場合は、池田のようにチャレンジで優勝がなく、ツアー登録できないため、30位以内に入ってもポイントは加算されない。今後は優勝するしかチャンスがない。
実際、キヤノンを終えた時点では、85年から継続していた新人王が今年は途絶えてしまう“危機”に見舞われていたのだ。
しかし、これを打開したのが石川遼だ。日本オープン2位で獲得した賞金2200万円を加算すると、ランキングは19位となり、12ポイントをゲット。期待や印象度で言えば当然、得られそうな賞だが、実質的にも最有力候補になったわけだ。
石川遼は、「新人王はぜひとも獲りたいと思ってます。でもルーキーとも思えないような貞方さんなどもいるので、狙ってがんばって獲れたらいいと思います」
さらに賞金ランク25位以内が権利を持つ日本シリーズ出場までもが現実味を帯びてきた石川遼。松村が日本オープンで8位タイに入り、賞金ランク28位として3ポイントをゲットしたが、これからの出場試合数の差からも石川遼の有利さは否めない。
17歳の新人王獲得で、史上最年少記録がまたひとつ増えそうだ。
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