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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/18号
2008/11/7更新
80人抜きで一発確定も。残り1試合、
米男子ツアーシード当落のせめぎあい

 米男子ツアーの公式試合は、残り1試合を残すのみ。秋季シリーズに入ってからは、さすがに注目度が低かったが、それでも、シード争いがヒートアップするなかで、無名ともいえるようなプレーヤーたちが頑張りを見せ、賞金ランク81人抜きをする選手の登場などが、話題に花を添えていた。


ラブIII(上)はほぼセーフ、デュバルは絶望か

 まず、秋季シリーズの第1戦、バイキングクラッシックでは、ウィル・マッケンジー(34)が優勝。高校時代にはジュニアのトッププレーヤーとして知られていたが、一時、ゴルフをやめたものの、2000年にプロ転向。

 それから9年もバンで生活しながら頑張ってきた。「シードも確保したかったが、何より優勝したかった」と語るように、最終3ホールで3つのバーディをとり、プレーオフに持ち込んでツアー2勝目を飾っている。

 この優勝で、178位だった賞金ランキングを97位(10月26日現在107位)に上げ、2年間のシードを確保している。

 秋季シリーズ第2戦のターニングストーンでは、ロングヒッターの新人ダスティン・ジョンソン(24)がツアー初優勝。この試合では最終2ホールで連続バーディを決め、栄冠をものにし、ランキングを一気に128位から41位(現在40位)に上げた。

 特に17番パー4では328ヤードのティショットでバーディを決めるなど、果敢な攻めが印象深かった。

 シリーズ第4戦のティンバーレークでは、バイキングのプレーオフで敗れたルーキー、マーク・ターネサ(30)が、最終10ホールで5つのバーディをとり、トーナメントレコードの24アンダーで念願のツアー初優勝。

 138位から75位(現在75位)に上げている。「自分ができる最高のプレーをすることだけを考え、自分の名前のことなんか考えてもいなかったよ」と語るのは、彼が有名なゴルフ一家の出身だからだ。

 彼の祖父のマイクは米ツアー6勝のプレーヤーで1948年の全米プロでベン・ホーガンに敗れて2位となっている。叔父のジムは、52年の全米プロに優勝。もう一人の叔父のジョーはツアー15勝。そんな遺伝子を引き継いだ大器の花が、ようやく開き始めたということのようだ。

 シリーズ第5戦、フライズドット・コムの勝者キャメロン・ベックマン(38)は、「本当にゴルフをやめようかとも思っていた。正直にいえば、試合が始まるまでは賞金ランキングの150位以内に入って、Qスクールのファイナルに出られれば良いと思っていた」と語っている。

 腰の故障で、今季は2カ月近くも試合から遠ざかり、夫婦して、今後の生活をどうしようかと相談もしたほどに追い詰められていたのだ。そんな彼が最終日、63で回りランキング18位のケビン・サザーランドをプレーオフで破って175位から86位にアップさせた。いずれの選手も1つの優勝で60~80人をゴボウ抜き、一気にシードを確定させている。

 シード争いでは、昨年の左足首の手術で、来季のシードが危ぶまれていたデービス・ラブⅢは、秋季シリーズの2戦、4戦、5戦で、それぞれ3位タイ、6位タイ、11位タイという成績を挙げ、現在賞金ランキング115位とセーフ。

 逆に最終試合で頑張らないとシードが難しいかつてのメジャー優勝者は、ランキング124位のデビット・トムズ、127位のマーク・カルカベッキア、137位のリッチ・ビーム、138位のトム・レーマン。

 賞金ランキングの125位までは、来季フルの出場権を手にできる。しかし、150位までであっても、枠が残っていれば出場は可能なのだが、現在152位のリー・ジャンセンは、よほど頑張らないと、来季は出られる試合が限られそうだ。

 このほかほとんどシードが絶望視されているのが223位のデビッド・デュバルと232位のジョン・デーリーだ。メジャーの勝者たちもこんな有様。それだけPGAツアーはハードルが高いということだ。

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