米PGAツアーが、来年のスケジュールをようやく発表した。といっても、秋季シリーズを除く、1月から9月下旬までのフェデックスカップ全41試合のスケジュールだが、少なくとも来季に関しては、金融危機の影響は少なく、なんとか乗り切ったようだ。
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親会社のGMは気になるが、今季タイガーが優勝したビュイック招待は変化なし
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金融危機で吸収合併され、存続が懸念されていた4月末のワコビア選手権も残り、実質的にレギュラーシーズンから消えたのはAT&Tクラシックとポッズ選手権。ポッズはトランジションズ選手権に大会名が変わって開催される。
ツアー全体の大きな違いは今季秋季シリーズの試合であったテキサスオープンが5月に繰り上がり、HPバイロン・ネルソンとクラウンプラザ招待とともに「テキサススウィング」シリーズができ、結果的にレギュラーシーズンの試合数の増減はなかった。
というより、WGCの3試合の賞金が800万ドルから850万ドルにアップするなど、賞金総額で今季の2億1440万ドルから2億2290万ドルへと増えるなど、予想に反して、まだまだツアーが健在であることを印象付けた。
「“PGAツアーの危機”とマスコミなどによって相当大げさな表現にされていたこととは違うといえるのを嬉しく思う」とT・フィンチェム会長は、注目を浴びていたことを逆手にとってアピールし、少なくとも見かけ上は成長を続けていることを印象付けている。
ただ、これは、冠スポンサーの大半が、再来年までの継続契約をしていることから、金融危機に際しても、簡単にはスポンサーから降りられないという状況があってのこと。
うがった見方をすれば、以前に「金融危機のダメージを最小限に抑える努力をする」とフィンチェム会長が語っていたように、ここでスポンサー契約の途中解約を許してしまうと、PGAツアーのイメージが悪くなり、ドミノ式にスポンサーの総崩れを起こしかねない。なんとしても現状を維持する必要があったのだ。
試合の賞金に関しては、これまでも相当額がTV放映権収入から補填されており、スポンサーの負担はさほど大きくない。
そうしたことを考えれば、今回の金融危機の影響が出てくるのは2010年以降ということになりそうだ。
まだ、フェデックスカップの最終戦、ツアー選手権の日程が正確に決まっていないが、この日程が決まり次第、秋季シリーズのスケジュールが発表される予定。約2カ月遅れで発表された今回の日程、PGAツアーは、金融危機の影響を払拭しながら、とりあえず、レギュラーシーズンの元気な面だけをアピールして見せたのかもしれない?
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