キャロウェイの会社名から「ゴルフ」の3文字が消えた。見た目には小さなロゴの変化かもしれないが、そこには企業が発信する大きなメッセージが込められている。その背景は何か。
キャロウェイゴルフは、11月5日、新製品発表会の席上で、2010年からブランドネームを「キャロウェイゴルフ」から「キャロウェイ」に変更すると発表した。
実は、同社はもともと「キャロウェイ」の名前を使用してきたが、それをいまから10年以上前に「キャロウェイゴルフ」に変えた経緯がある。
その目的は、「多くのゴルフ用品メーカーが、タイヤメーカーの子会社だったり、総合スポーツメーカーの一事業部門だったりするのに対し、われわれは100パーセント純粋なゴルフメーカーであるという明確な意志表示」(キャロウェイゴルフPR・手島純氏)だった。
それにもかかわらず今回また、「キャロウェイ」を復活させる狙いはどこにあるのだろうか。
「キャロウェイというブランドをゴルファー以外の方にも使っていただきたい」(同社マーケティング&セールスプランニングディレクター・庄司明久氏)
すなわち、ファッションや健康、美容など、「キャロウェイ」ブランドをゴルフ専門ブランドからライフスタイルブランドへと発展させる考えだ。
「『洗練』『ファッション性』といった高いブランドイメージを生かさない手はない」(前出・手島氏)。そのバックグラウンドには、サンエーインターナショナルが2002年から手がけている「キャロウェイアパレル」の成功もある。
女性ゴルファーが好むのは、一般アパレルやスポーツアパレルメーカーが手がけるウェアブランドで、ゴルフ用品そのもののブランド名を冠したウェアを選ぶ女性は多くはない。
そもそもゴルフ用品と同一のブランドでレディスウェアを展開するメーカー自体が少なく、女性受けのいい別のブランドを用意していることがほとんどだ。そのなかで「キャロウェイ」は数少ない例外といってよく、「クラブを使っていなくても、キャロウェイのウェアを選ぶ方は多い」(手島氏)というのもブランドそのものの認知度の高さを証明している。
では同社は今後、どういった事業を展開していくのだろうか。
「現在考えているのはスクールや練習場などの周辺ビジネス。いきなりゴルフからかけ離れたものを手がけることはないと思います」(手島氏)
また、アパレルのようにライセンスビジネスによる異業種展開も考えられる。本社移転先に東京・白金台を選んだのもイメージ戦略の一環といわれており、ゴルフを入り口としない「キャロウェイマニア」も登場してきそうだ。
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