今季の男子ツアーも今週行われるゴルフ日本シリーズJTカップで幕を閉じる。同大会の出場者は今年度優勝者と賞金ランク上位25人に限られるため、前週のカシオワールドオープンは、恒例の来期シード権を巡るサバイバルゲームが展開された。
賞金シードは70位までだが、その中に出場義務試合数を満たしていない3選手が除外されるため、今季の実質攻防ラインは73位。
ところが、その73位にいたS・レイコックは、親友の病気を理由にレクサス選手権終了後に帰国して以来ずっと欠場しており、下位の選手にとって、レイコックの獲得賞金1156万円余りを上回る賞金を加算することが、当面の目標になった。
そんな中、真っ先に白旗を掲げてしまったのが、日本プロなどツアー3勝の実績がある佐々木久行。賞金ランク142位だった佐々木は2日目ハーフ終了後に体調不良で棄権。92年に2部ツアー上位で裏シードを得て以来、米ツアー挑戦でブランクはあったものの、守ってきたシードを手放した。
佐々木のほか、ランク74位以下で今季のシードを持っていたイ・スンホ、井上忠久、林根基、白佳和らが予選を突破できずに大会2日目にして賞金シード落ちが確定した。
ランク74位だった立山光広とレイコックとの差は20万円弱。予選を通過すれば、最下位でも30万円余りが加算されるため、38位タイで決勝に進出した立山は、自動的にレイコックを抜くことは決まった。
しかし、立山よりランクが下の佐藤えいちが2位、河瀬賢史が8位タイなど初シードを窺う選手たちも予選を通過したため、73位を巡る攻防は混沌した展開になった。
3日目を終えた段階の仮想賞金ランクでは、試合順位48位タイだった立山がランク73位でシード権維持圏内。10位タイの佐藤えいちがランク79位。34位タイの津曲泰弦がランク76位となっていた。
最終日、立山は78とスコアを崩し、59位タイで加算賞金は32万2000円に留まり、ランク74位に後退。代わってパープレーで凌いだ津曲が、21位タイでフィニッシュし、136万円余りを加算して、ランク73位に滑り込み、初シードを獲得した。
津曲を含め今季初の賞金シードを獲得したのは、石川遼、甲斐慎太郎、松村道央、貞方章男、山下和宏、キム・キョンテ、上井邦浩、池田勇太、前田雄大、E・リー、H・リー、中島雅生の13人。
賞金シード復活を果たしたのは、ディネッシュ・チャンド、桑原克典、横田真一、ポール・シーハン、川岸良兼の5人。
立山光広、クリス・キャンベル、イ・スンホ、高橋竜彦、室田淳、菊池純、尾崎健夫、I・J・ジャン、グレゴリー・マイヤー、伊澤利光、キム・ジョンドク、井手口正一、林根基、佐々木久行らが賞金シードを落とした。
なお、高橋、菊池、伊澤は特別シードを持ち、室田、尾崎は生涯ランク25位以内のシード権を行使できる。
|