ゴルフ会員権相場全体が下げ止まらないなか、ここへ来て一部人気コースに下げ止まりの動きが出てきた。しかもかつては売りもの一辺倒と言われた年末のこの時期に、買いが増加の動きが出てきた事情を追った
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今がチャンスと、買い希望がぐんと増えた東京よみうりCC
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関東ゴルフ会員権取引業協同組合が毎週公表している会員権相場平均では、11月27日現在、312コースの単純平均は前週比8000円安の212万6000円。150コースの指定銘柄平均では前週比で5万4000円安の306万6000円だった。
ひところよりは下げ幅は狭くなっているにしても、相変わらず下げ基調であることに違いはない。ところが、「一部のコースが売りが極端に少ないのに、買いが多い、場合によっては殺到しているコースがある」(桜ゴルフ・佐川八重子社長)という。
東京よみうり、府中、東富士、南総、習志野、大利根、メイプルポイントなどがその代表格だ。
だが、「売り希望価格と殺到する買いの希望価格に大きな開きがあり、実際には取引は成立していない」(前出・佐川社長)。
先週まで、日本シリーズJTカップを開催していた東京よみうりCCは、売り希望2200万円に対し、買い希望は1750万円と、450万円もの開きがある。
大利根CCも売り希望1200万円に対し、買い希望は1050万円。府中CCも売り希望530万円に対し買い希望390万円。メイプルポイントGCも売り希望430万円に買い希望330万円といった具合だ。
習志野CCも売り希望85万円に買い希望40万円。ただ、習志野の場合は12月1日から来年3月末までの期間限定キャンペーンで、名義変更料が105万円から73万5000円に引き下げられているので、その効果とも考えられるが、他のコースにはそういった事情はない。
「共通しているのは、経営がしっかりしていてアクセス、レイアウトいずれもいいというコース。普段から会員権相場をウォッチングしていて、資金的にも準備をしていたところへ、だいぶ下がってきたのでお目当ての高嶺の花のコースを買おうと、一斉にアクションをおこしている可能性がある」(ゴルフダイジェスト社会員権サービス部・田嶋一弘課長)という。
ただ、売り希望との開きが大きいのは、さすがにその値段では手放したくない、という心理が売り手側にも働いているということだろう。かつては年末は売却損を出して節税を図ろうという人も多く、その一方でベストシーズンにはまだ間がある時期なので買い手は少なかった。
しかし、「最近はよく研究していて、この時期が安いということを知っている人が、買いに来るケースは多い。売却損を出したい人、借金のために売らなければならない人はもうほぼいなくなったので、無理に売る必要もない。売り手がもうこれ以上は譲歩しない、という水準に達したコースで、買い希望が殺到しているのでは」(田嶋課長)ということらしい。
ちなみに関西ではまだ「売り一色で、そういった動きはない」(ゴルフダイジェスト社関西支社)という。
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