日本女子プロゴルフ協会は13日、今季のメジャー、全米女子オープン出場資格については昨年までの前年度賞金ランキング3位までから、同5位までに拡大されたことを発表した。実はこの変更は、全米ゴルフ協会(USGA)が今年日本での開催を予定していた最終予選会を取りやめ、そこに当初割り当てていた2人の出場枠を、国内女子ツアーに差し出した結果だった。
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福嶋(左)、不動にも出場資格が。今年は期待が持てそう
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USGAでは、既に実施されている男子の全米オープンの日本地区最終予選会と同様、全米女子オープンでも今年から日本で最終予選会を行う予定だった。
USGAが同予選会を企画した理由を、日本ゴルフ協会(JGA)のある関係者は「日本と韓国の有力選手をより全米女子オープンに導くため」と説明する。
同氏によれば、USGAの、ナショナルオープンを世界一レベルの高い大会にしようとする熱意はすさまじく、世界中のゴルフ界の動向に注視しているという。そのUSGAが今回、全米女子オープンの強化のために注目したのが日本ツアーだった。
「全米女子オープンでも、最近は韓国勢の活躍が目立ちますが、それは40人もの選手が出場しているから。一方、日本選手は例年3~4人の出場にもかかわらず、好成績を挙げている。だったら、もう少し日本選手の出場が増えたらもっと活躍が見られるだろうと判断してのこと」
そして企画された今年の予選会は、6月に茨城県の大利根CCで開催されることが内定し、関係各所の了解も得ていた。
ところが、それが昨年9月のリーマン・ショックで頓挫する。「USGAは資金の多くをファンドで運用しており、直後にどれくらいの損失が出るのか不安だったのでしょう。すぐに、今年の事業計画について、大幅な見直しが指示されたそうです」(前出のJGA関係者)
その結果、同予選会は正式発表前に取り止め(来年以降は不明)。そして、そこに割り当てられていた2枠が、そのまま日本ツアーの賞金ランキングに回されたのだ。今年の全米女子オープンには古閑美保、イ・チヒ、横峯さくらに加え、賞金ランク4位の福嶋晃子、同5位の不動裕理が出られることになった。
同オープンでは07年に宮里藍が10位タイ、08年に上田桃子が13位タイになるなど、このところ日本選手の健闘が光っている。
昨年の全英女子オープンでは、不動の3位タイを筆頭に、宮里が5位、上田が7位タイとなり、日本選手が優勝争いを盛り上げた。
世界のメジャーが、日本選手を無視できないと考えるようになったのであれば、ファンにとっても嬉しいこと。そうした世界の視線が日本ツアーをさらに白熱させることを期待したい。
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