20日に終了した全英アマチュアゴルフ選手権で、16歳2カ月のイタリア人、マッテオ・マナセロが、記録ずくめで優勝した。全英アマにイタリア出身の選手が優勝するのは初めて。そしてさらに、日本で開催されたジュニアワールドカップではアルゼンチンが優勝するなど、ゴルフ後進国が活躍する“地殻変動”が起きている。
全英アマ124年の歴史のなかで、イタリア人が優勝するのも初めてなら、過去の最年少優勝記録18歳と1カ月を2歳近くも上回っての勝利。しかも、ストロークプレーの予選会を通っての本戦優勝は、史上3人目。
これで、今年の全英オープンと来年のマスターズの出場権をものにしたマナセロだが、これでマナセロは16歳の終わりにマスターズに出場することになり、怪我などで欠場さえなければ、アマチュアのトミー・ジェイコブスが持つマスターズ出場最年少記録(17歳)を破ることになる。
当の本人は、「僕がこのトーナメントに優勝できるなんて想像もしていなかった。本当に信じられない。もうすでにイタリアの皆がこの勝利のことを知っていると思うが、これがイタリアのアマチュアゴルフゴルフ界が盛り上がる助けになればよいと願っている。初めてのイタリア人、本当にこれは特別なことだよ」と、初のイタリア人の優勝に、誇りを感じているようだ。
そして、このマナセロと同じようなコメントが同じ週、日本で開催されていたトヨタ・ジュニアゴルフワールドカップでも発せられた。
「この試合に勝ったことは、アルゼンチンのアマチュアゴルフ界にとっての偉大な功績となる。アルゼンチンのゴルフ界とアマチュアゴルフの人々、誰もがこの試合の勝利の一翼を担っている。これはアルゼンチンの人々にとって大きな意味をもつ」とジュニアゴルフワールドカップで、チーム優勝をしたアルゼンチンのコーチ、マーチン・バルトローメ氏は語っていた。
この大会は14カ国の国・地域からなるジュニア(大学生を除く18歳以下)のチーム戦。そこで伏兵アルゼンチンが優勝候補のアメリカをおしのけて優勝を成し遂げたのだ。ちなみに、この試合の個人優勝は、韓国の李京勳(リ・キョンフーン)、日本は6位だった。
「92年からこの大会を開催しているが、南米の国が優勝するのは初めて。翌日、アルゼンチン大使から大会本部に電話があり、大喜びしていました」(大会事務局)。
マスターズのA・カブレラに続き、アルゼンチンゴルフ界が、沸き立っているのがわかるようだ。
イタリアのマナセロといい、アルゼンチンチームといい、あるいは韓国といい、これまでゴルフ界の本流から外れていた国から、続々10代の若手の実力者が出現、まさにゴルフ界に地殻変動が起こっている証拠だろう。
今や欧州だけでなく世界各地で開催されるヨーロッパツアーの影響もあるのかもしれない。いずれにしても、ゴルフが世界的なスポーツになりつつあるのは、間違いがないようだ。
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