先日の全英リコー女子オープンで11位と健闘した宮里美香。彼女が使っていたのが目にも鮮やかなオレンジ色のボールだった。このカラーボール、プロ用としてはツアーステージがよく知られるところだが、スリクソンもプロ用として初めてカラーボールを投入。9月にはアベレージ用のゼクシオスーパーXDに新たに2色を追加、計6色にもなる。過熱するカラーボールを追った。
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スリクソン―Zスター(右)にロイヤルグリーンが、ゼクシオスーパーXDにはプレミアムブルーとイエローが追加
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カラーボールは、これまでどちらかといえば女性ゴルファーのファッションアイテムの一つと思われていた。しかしここに来て女性ばかりではなく、男性の間でもカラーボール使用者が目立って増えてきた。
ブリヂストンスポーツが実施した全国の20~60代のアマチュアゴルファー1089人を対象とした「現代ゴルファーのライフスタイル調査」でもカラーボールの使用率は07年の32パーセントから08年は39パーセントへとアップしている。
事実、同社の人気ブランド「ツアーステージV10」の最近の販売構成比を見ても、スーパーイエロー22パーセント、スーパーオレンジ17パーセント、スーパーピンク13パーセントとカラーボールが半数以上を占めるというから、その人気のほどがわかる。
とかくファッション性ばかりが話題になりがちなカラーボールだが、スポーツ心理学の面でも、ボールが大きく感じられ、集中力や安心感が増してプレーに好影響を与えてくれるという効果もあるという。
カラーボールが注目を集めるきっかけは丸山茂樹、宮本勝昌、近藤共弘らのトーナメントプロが試合で使い始めたことだろう。その一人、ピンクボールを使用している津曲泰弦は、
「丸山さんや宮本さんが使っているのを見て、使ってみようと思いました。曇った日だとボールの落ち際が見えづらいこともありますが、特に問題ありません。カラーボールを使うとギャラリーも喜んでくれるので、当分はこれでいくつもりです」
プロの影響は大型量販店、有賀園ゴルフ新横浜店の島田大輔さんも認めている。
「プロが試合で使うようになってから、カラーボールを敬遠しがちだった男性が買っていかれるようになりました。試し買いの人も多いので、リピーターが増え、さらに伸びるのでは」
メーカー側も、こうしたゴルファー人気に注目、カラーボールを積極的に出していこうという作戦だ。
ブリヂストンスポーツは、「ツアーステージX‐01B+スーパービビッド」3色(スーパーイエロー、スーパーピンク。スーパーオレンジ)を6月5日から発売。
また、SRIスポーツは、ネイビー、ゴールドなど4色のバリエーションで展開している「ゼクシオスーパーXD」に来月5日からプレミアムブルー、プレミアムイエローの2色を新発売、計6色に。
さらに、今月8日から「スリクソンZ‐スターシリーズ」に初めてのカラーボール、ロイヤルグリーンを発売した。
グリーン系のボールではフェアウェイやラフで見えにくいのではないかと思われがちだが、ホログラム効果でむしろ見えやすいという。
「星野英正、甲斐慎太郎、小田孔明、古閑美保、北田瑠衣といった当社の契約プロが今後、試合で使っていく予定です」(SRIスポーツ広報部長・山田照郷氏)
秋の本格シーズンを前に、ブリヂストン、SRIスポーツ両社のボールウォーズは色味の面でも激化しそうな雲行きだ。
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