だんだん寒くなるこれからの季節、ゴルファーにとって欠かせないのが機能性下着だ。昨年はゴルファーにも人気だったユニクロ(ファーストリテイリング)の機能性下着「ヒートテック」が店頭から払底するなど人気を集めたが、この秋にはユニクロに負けじとばかりに流通超大手が参入する。格安機能性シャツの熱い戦いを追った。
イオンがジャスコ、サティ、ダイエーなどグループの店舗で展開しているのが「ヒートファクト」。今年は、体温によって温まった空気を多く蓄えられるようにする極細アクリル糸を使用して、メンズはワッフル編みという、温まった空気を蓄えやすい格子状の編み方を新たに採用、保温性をより高めているのが特徴だ。
価格は780~1280円。前年比約4倍の1000万枚の売り上げを目指すというから、機能性肌着の需要がいかに高いかが伺える。
「特にゴルファーの方を意識しているわけではありませんが、利用シーンの1つとして、ゴルフももちろん考えています。そのためグループ店舗のスポーツオーソリティでも積極的に販売していきます」(広報担当者)
この傾向はイトーヨーカードーでも同じ。今年から新たに「パワーウォーム」という名称をつけ、全国165店舗で販売する。価格は780~980円。昨年よりさらに値下げし、買いやすさを前面に打ち出すことで前年比2.5倍の250万枚の販売を計画しているという。
一方、07年には販売枚数2000万枚を記録した機能性下着ブームの火付け役「ヒートテック」(価格1000円と1500円)も7月から販売を開始し、売れ行きは昨年同様好調だ。
「昨年からは世界中で販売し、2800万枚を記録しました。各社から新製品が出るのは、まだ機能性下着の良さをご存じない方に知っていただくいいチャンスだと考えています」(プレスチーム担当者)とこちらは受けて立つ構え。
こうした低価格の機能性下着のブームについて、ゴルフファッションに詳しい評論家の五十嵐誠氏は、
「やはり昨今の不況の影響が大きい。1000円程度の金額で買えるのは消費者にとって魅力です。リーズナブルな機能性下着の対極にはスポーツメーカーが出しているものがありますが、基本的には保温の原理は一緒です。ただ、スポーツメーカーの場合はゴルフに特化し、ゴルフスウィングにマッチするような人間工学に基づいたカッティングを施すなどの付加価値があることが大きな違いですね」
低価格もので実績のあるブランドを選ぶか、新規参入を選ぶか、はたまたゴルフメーカーものを選ぶか、ゴルファーそれぞれの考え方次第。さてどちらを選びますか?
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