2016年のリオ五輪でゴルフが正式種目になったことで、ジュニア育成の動きが活性化している。LPGAの放課後クラブ、JGTO、PGAなどのスナッグゴルフのほか、地方自治体でもジュニア育成に取り組むところが出てきた。
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未来の石川遼、宮里藍の発掘に向け、各団体の連携ができればもっと力を注入できる可能性もある
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LPGA(日本女子プロゴルフ協会)が行う「放課後クラブ」は、その名の通り学校が終わった後に行われるレッスン会だ。
「放課後、サッカーや水泳のスクールに通うような感覚でゴルフに接してほしいんです」(LPGA事務局)という考えのもと、金曜日の夕方にこのレッスン会を設定。まずは、試験的に4月からトーキョージャンボゴルフセンター(東京都足立区)で、小学生を対象に行われる。入会金、月会費ともに8,000円。ゴルフにしてはリーズナブルで、スイミングスクールなどの相場に近い料金に抑えられている。
「地域性を持たせいきたい。将来的には、他の地区でも行う予定ですが、1年くらいここでの様子をみて今後の取り組み方を決めたい」(LPGA事務局)という。
JGTO(日本ゴルフツアー機構)は、ゴルフへのファーストステップとしてスナッグゴルフ普及を実施。2003年から全国各地区の小学校に対し、187セットの用具を小学校に寄贈した。昨年、五十嵐雄二がツアー初優勝した「ツアー選手権」の開催週には、毎年スナッグゴルフの小学生全国大会を開催し、ゴルファーの底辺を拡大している。
また、PGA(日本ゴルフ協会)でもスナッグゴルフから始め、コースに出るまでを4回にわたって指導する育成プログラムを岐阜県、群馬県で行った。今年もすでに岡山県、千葉県、北海道での開催がすでに予定されている。
ツアー団体のほかにも、群馬県太田市は、10年前に『財団法人おおたスポーツアカデミー』を設立し、青少年のスポーツに積極的に取り組んでいる。そのプログラムにゴルフを入れたところ、予想外の大人気となっている。月2回、ゴルフ練習場の協力を得て、ツアープロが子どもたちに直接指導に当たるという、力の入れようだ。
入会手数料は1,000円、年会費1万2,000円、コースに出て大会を行う機会もあり、料金も安いため、設立当初から定員をはるかに超える応募で抽選になっている。
遅まきながら活発になってきたジュニア育成の動き。各団体ともジュニアのことを真剣に考えているのはよくわかる。だが、難点は全体がうまくつながっていない点だ。
ゴルフ業界がひとつになっているとは言えず、大人たちがしっかりと手を組んで底辺を拡大し、金メダル獲得を目指してほしい。
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