> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/11・18号
2010/4/30更新

石川遼、開幕の不振は海外後遺症?
それともスウィング改造のため?

 マスターズ、国内開幕戦と予選落ちを喫して、ファンをヤキモキさせた石川遼。開幕戦の不振は、その直前から新たに取り組み始めたドライバーのスウィング改造のためだったが、賞金王を取ったスウィングの、どこをどう改造しようとしているのだろうか。


開幕戦、ラウンド中しきりにテークバック位置を確認していた

 今回のスウィング改造は、かねてから石川遼が目標としている、「350ヤードを真っすぐ飛ばす」取り組みの一環であることは間違いない。

 年初には、もっと大きな体重移動が今年のテーマと石川はいっていたが、それを補完する動きに取り組み始めたといっていいだろう。

 下半身がダウンスウィングの動きを始めるとき、体重移動が大きければ大きいほど、右から左への踏み込みも大きくなる。この下半身の動きは、上体が完全にトップの位置に行く前に始動し、それが上半身と下半身の大きなねじれを生み、ボールを飛ばす大きなパワーになる。

 その下半身の踏み込みに連動するように上体も左(飛球方向)に動いていたのが、これまでのスウィング。それでもボールは300ヤード近く飛ぶのだが、それをさらにバージョンアップしようという取り組みである。

 今回のスウィング改造では、下半身が踏み込んでも、上体を可能な限り右に残し、それによって、より大きい下半身と上半身のねじれを作り、そしてスウィングアークもより大きくしようというものだ。

 これにより、トップからフィニッシュに至る右肩の描く円が大きくなる。そこに大きな体重移動による体の回転の速さが加われば、ヘッドスピードは、さらに速くなる、という理論に基づいている。

 指導に当たる父の勝美氏は、「かなりの筋力と柔軟性が必要な動きですが、今の遼の体力ならできると判断して、取り組むことにしました」という。

 といいつつも、海外に行ったことで受ける影響には多少なりとも懸念材料がある。2001年にマスターズで4位タイに入った当時絶頂だった伊澤利光は、タイガーのロングアイアンの弾道を目の当たりにして、帰国後「もっと高く、もっと飛ばさなければ」という思いが大きくなり、スウィング改造を行った経緯がある。しかし、結果が思いのほか出ず、現在に至っているからだ。

 ワイドスタンスで注目を集めた3年前から、様々な改造に挑み、次々に実績を積み上げてきた石川。一歩ずつ課題を解決し、今回もクリアしたときに、どんなスケールの大きなゴルフを見せてくれるのか楽しみだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です