パワーにものを言わせる10代、20代の若手を尻目に、ツアー2戦目つるやオープン最終日を一騎打ちで盛り上げたのが、6月に41歳の誕生日を迎える藤田寛之と、片や2月に42歳になったばかりの谷口徹。2人のアラフォープロの元気の素は長尺ドライバーだった。
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シャフトが長くなれば、飛距離が伸びるだけでなく球も上がる
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プレースタイルに関しては、我が道を行く藤田だが、全米プロに2年連続で出場した際、飛距離の必要性を痛感させられた。先駆者、片山晋呉のすすめもあって、オフの間に長尺ドライバーをテスト。今シーズンは、昨年までの44.5インチよりも2インチ近く長い46.25インチのドライバーを使っている。
開幕戦、東建ホームメイトカップではまだ迷いを抱えていたが、芹澤信雄のアドバイスをきっかけに長尺用スウィングに開眼、翌週のつるやオープンではプラス10ヤードの飛距離を武器に、谷口との戦いを制してツアー通算9勝目を飾った。
その藤田をプレーオフ3ホール目まで脅かした谷口も、実は今年からドライバーを長くした一人。44.5インチから45インチと藤田に比べれば、“プチ長尺”程度だが、ヤマハのツアーレップ、今野満雄氏は、「あまり差がないように思えますが、この0.5インチが大きいようです」と証言する。
「藤田プロにもいえることですが、シャフトが長い分、球が上がりやすくなったので、ロフトを立てることができ、強い球が出るようになりました。谷口プロも5から7ヤードは飛んでいるのでは」(今野氏)
このほか、もともと46.5インチを使っていた48歳の大ベテラン井戸木鴻樹も今年からさらに長い47インチのドライバーを、ほかにもジャンボ尾崎も今年は46.25インチを使い始めた。
「体力が落ちてくるとダウンスウィングで手元側が減速しますが、そうしたとき、飛距離を落とさないためには、いかにうまくヘッドを走らせることができるかが勝負。
藤田選手も(谷口選手も)プレーンからクラブが外れないタイプなので、手元側を減速させながらもタイミングよく長尺シャフトをしならせることができるのでしょう。また、アラフォーだけに技術も成熟しているでしょうし、シャフト自体の進化も見逃せません」とアラフォープロと長尺の好相性を説くのは永井延宏プロ。
体力の衰えによる飛距離ダウンを長尺ドライバーでカバーするプロが、これからも増えてきそうだ。
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