先日の「ザ・レジェンド・チャリティ」でも、67歳の青木功が66のスコアでエージシュートを達成して話題になったが、元気な高齢者が増えるにつれ、アマにもエージシューターが増えているようだ。その実状を調べてみた。
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体力アップに励む西村さんは、緊張感が大事と説く
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自分の年齢以下のスコアでラウンドするエージシュートは「ゴルファーの夢」と言われ、達成者は尊敬の対象とされる。それだけ健康長寿で、ゴルフも達者でいられた証拠だからだ。
詳しい統計がないため、達成者の増加をデータで示すことはできないが、先月発行の中部ゴルフ連盟の会報誌『CGA』には加盟198クラブ中、回答のあった124クラブで、上は87歳から下は69歳まで106人の達成者が報告されている。これを見ると「夢」よりは、もう少し現実感のある数字と思える。
「私の周囲でも最近増えてますよ」と言うのは、自分でも60代での達成を目指す吉原紳医学博士(聖マリアンナ医科大学、68歳)。元気な高齢ゴルファーが増えているのだからエージシュートの増加は当然なのだが、吉原氏は「向上心を持って練習熱心な人、かつクラブ競技等に出て1打を真剣に競ってきた方が多いと思います」との印象を語る。
また、用具進化の要因も大きい。リシャフト工房「スパイグラス」(東京・目黒区)の玉嵜秀人氏は、「お客さんに70歳前後で、エージシュートを目指される方がいますが、ゴルフに対する“欲”を持ち続ける人ですね」と語った上で、「ショートゲームの技術はあるので、ドライバーのシャフトや、FWやUT選びに熱心のようです」とエージシュートを目指すゴルファーの最近の傾向を口にする。
実際、女性では珍しい達成者のひとり、昨年7月に77歳で76のスコアを出した林サキ代さん(78歳、CRC三重白山GC)は、「クラブ、とくにシャフトには時間とお金をかけ、試打をして選びました」と語る。林さんは50歳頃からゴルフを本格的に始めた人で、トップアマの経験はないが、「飛距離があって、パットに自信があれば、アプローチが楽に打てるのでパーを拾えます。それに、最近はレーザー距離計で助かってます」と秘密の一端を明かしてくれた。
現在89歳の西村紀夫さん(浜松CC)もトップアマではないが、76歳のときにクラブ競技で76を記録。その後の10年間は毎年20回のペースで達成してきた。西村さんもやはり緊張感のある競技に出て、「そこで好成績を出してゴルフに勢いをつけること。それと筋力の維持が大事」と経験を振り返る。
エージシュートは向上心があって緊張感のあるプレーを続ける努力ができれば達成可能なもの。ゴルファーならぜひ目標としてほしい。
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