5月末に行われたダイヤモンドカップでは、石川遼の出身校である杉並学院高の1年、浅地洋祐くんが9位に入る大健闘をみせた。さらに最終日に石川遼は、高校の先輩である薗田峻輔とのラウンドとなり、3人の同窓対決を見ることもできた試合となった。
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“王様・薗田”と“王子・遼”が中盤戦にかけて盛り上げる
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5月に行われたダイヤモンドカップ最終日、石川遼と薗田峻輔がプロツアーで初めて同組で回った。薗田は今年3月に石川が卒業した杉並学院の2年先輩で、技術、実力ともに『薗田先輩が上』と、石川が一目置く存在なのだ。
2007年に高校1年でプロ宣言した石川に対し、薗田は明治大学に進み、2年間学生ゴルフの経験を積んだ後、昨年のQTで28位に入り、その資格で今季ツアーの出場権を得て、今年からツアーデビュー。プロの世界では石川の後輩になる。
それぞれ別々の道を歩んだせいか、同じ組でプレーするチャンスは滅多になく、「2年前か3年前のサン・クロレラの練習ラウンドでハーフをまわって以来かな?」(薗田)と記憶も曖昧なほど。試合での同組はジュニア時代は別にして、まったくなかったという。
QT28位の薗田と、賞金王の石川。プロとしての格は当然石川が上だ。しかし、薗田には“先輩”としての意地があった。ともに16位タイからスタートした最終日、薗田は70で回り15位タイと順位を上げたのに対して、石川は74を叩き32位タイ。
「正直いって、勝ててメンツを保てました」
と薗田はライバル心を燃やして戦っていた本音をもらした。
そのライバル心は、順位ばかりではなく、飛ばしにも表れていた。中継ホールで薗田がたびたび石川をアウトドライブするシーンを見せていたいが、「あれでも、ぜんぜん芯を喰っていなかったんですよ」と、まだまだ飛ばせると言いたげな口調に薗田の意地が感じられる。
石川遼との直接対決では先輩の意地を見せた薗田だが、9位タイと大健闘した現役後輩の浅地洋佑くんには完敗し、
「めちゃくちゃ悔しいですよ。なんで崩れないんだろう、って思ってました(笑)。絶対に遼も心底悔しかったはずです」
と無念さを隠さない。
来年にもプロ転向を表明している浅地。先輩、後輩の三つ巴のライバル対決がさらにツアーを盛り上げてくれるだろう。
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