大学生が上位を独占し、学生選手権のような今年の日本アマチュア選手権(7月6日~10日・愛媛GC)だったが、練習時間もなかなか作れないサラリーマンゴルファーが予選初日5アンダーでトップに立ち、6位で突破しマッチプレーへの進出を果たしていた。
日本アマの優勝者は、ここ数年、学生か韓国勢で占められ、どちらにしてもプロ予備軍。心置きなく練習に没頭できるのだから強いはずだ。
そんななかにあって、144人が参加者した予選を6位という好成績で突破し、32人で行われるマッチプレーへ進出を果たしたのは、石川遼愛用のオレンジ色シャフトでお馴染みのシャフトメーカー、グラファイトデザイン社の社員、髙橋雅也さん(39歳)だ。
髙橋さんの業務はプロサービス。プロトーナメントとともに全国のゴルフ場を巡るのが仕事である。ちなみに、石川遼のキャディを務める加藤大幸さんも、同社のプロサービスで、現在は出向のような形で石川に帯同している。
髙橋さんが年間に出場する試合は、関東アマ、日本アマ、関東ミッドアマ、日本ミッドアマの4試合が基本。今年はそれに全日本社会人アマの予選に出て本戦出場を決めている。
今回の日本アマ出場は関東アマ上位(18位)の資格で得たもので、その関東アマも予選を突破して本戦にコマを進めたのだが、予選の前々日まで長崎で行われていた日本プロ選手権の会場で仕事をこなし、とんぼ返りで関東に戻っての参戦だった。
「今回マッチプレーに進出したなかで、間違いなく僕が一番練習量の少ない選手だったと思います」という髙橋さんが、それでもトップアマの腕前を維持できるのは、「プロを見てイメージを取り入れているから」だという。
今年5月の日本プロの会場でも髙橋さんは、石川遼のスウィングを食い入るように見て、いいイメージを植えつけようとしていたのが印象的だった。
今回の日本アマでの目標は、日本オープンに出場できる予選3位以内、またはマッチプレーでのベスト8だったが、残念ながらどちらも果たせなかった。
「1回戦で負けましたけど、マッチプレーは初体験でとても楽しかった」
と髙橋さん。今年の目標は2つ。2008年に勝っている日本ミッドアマで再び優勝し、日本オープンの切符を得ること。もうひとつは、『三井住友VISA太平洋』の出場権がかかった全日本社会人選手権で優勝すること。
「練習は量より質」というサラリーマン代表としてがんばってもらいたい。
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