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優勝のご褒美はスカイダイビングというが、左手は大丈夫?
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ピンクパンサーのニックネームでお馴染みの23歳ポーラ・クリーマーが念願のメジャーチャンプに輝いた。モンスターコースと呼ばれ、史上もっとも苛酷といわれたオークモントCCで、唯一のアンダーパーを出しての優勝。左手親指のケガから復帰後わずか1カ月での快挙。アメリカ期待の星がいよいよ本領発揮だ。
「体調ですか? 6割くらいですね。親指はショットを打つたびに痛みます。ラウンドが終わると左腕全体がパンパンに張ってしまうくらい。アイシングもテーピングも欠かせません」
全米女子オープンを制した直後、クリーマーはそう打ち明けた。左手親指に負傷を負ったのは開幕戦のタイでのこと。それまでも痛みはあったが初日のラウンド中に症状が悪化。2日目がスタートする前に棄権を表明し、すぐさま帰国して医師の診断を仰ぐと靭帯と関節が損傷しており、3月30日に手術を受け約3カ月もの辛いリハビリを余儀なくされた。
だが「自分は勝てる。必ず勝てる」と強気に「自己暗示をかけ続けた」。頭の中で「オークモント、オークモントとずっと唱えていました」
しかし復帰後も痛みはとれず、医師には「1年たたないと完全に痛みはとれない」と宣告された。
「ケガのせいで球を低く抑えるノックダウンショットが打てなくなりました。ラフから脱出するのも大変。だからフェアウェイをキープすることに集中しました。それがメジャーでは良かったみたい」
本来アグレッシブなプレースタイルが身上だが、持ち味を封印し「刻み倒すゴルフ」で念願の初メジャー獲りに成功した。
クリーマーの快挙に大喜びなのは娘につきっきりで世界中を飛び回るステージパパとママ。父・ポールさんがコースの近くで生まれ育ったこともあり「何かの縁かも」と感慨深げ。元軍パイロットの父と一緒に「スカイダイビングに挑戦するのが、メジャー初優勝のご褒美」なのだとか。
「マネジャーも一緒に空の上に連れて行きます。キャディのコリンだけは高所恐怖症だからNGみたいだけれど、グランドスラムを達成したら彼にも飛んでもらうわ!」
とはしゃいだクリーマー。歓喜のダイブの模様はまた改めてお伝えすることにしよう。
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