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飛距離は出ないけどショートゲームでがんばりたい
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7月6~10日に愛媛GCで行われた今年の日本アマチュア選手権で、中部アマ2位の権藤紘太くん(21)に、10アンド8という大差をつけて優勝した日大4年の阿部裕樹くん(21)。過去2回は95位タイ、124位タイで予選落ちの屈辱から、初のマッチプレー進出でいきなり優勝した。
「昨年、一昨年は大会の雰囲気にのまれてしまって、思うように力が出せなかった。でも今年は精神的にも余裕を持って戦うことができました」
歴史と伝統のある日大ゴルフ部で主将を任されたことが、精神面の成長に繋がったという。
「大学には育てていただいたという思いがありますし、団体戦で勝たなきゃという気持ちが強いんです。今年は春のリーグ戦から好成績で、先月の全国大学対抗戦も優勝することができました。ボクとしてはそのほうが嬉しいんです」
栃木県・宇都宮出身で、高校は佐野日大に進学。ここでも彼はゴルフ部主将を任されている。
「キャプテンは自分の調子が良くても悪くてもチームの雰囲気を良くして、まとめていかなくちゃいけない。プレッシャーはあるけど、やりがいがあります。個人戦は勝っても負けても自分1人の責任ですが、団体戦は勝ったときの喜びが個人戦と比べものにならないぐらい大きい。だから好きなんです」
正月の恒例行事となっているゴルフ部全員での初詣でも、自分のことより団体戦での優勝を祈願したとか。主将として大学対抗戦で勝てたという自信が、日本アマ優勝というビッグタイトル奪取にも繋がったというわけだ。もちろん、今後の目標はプロツアーでの活躍だ。
「昨年同様、今年もQTにチャレンジする予定です。アマチュアで一緒に戦っていた薗田峻輔や、石川遼くんの活躍は刺激になります。飛距離が出ない(平均260ヤード)ので、アプローチとパターでスコアメークするのがボクのゴルフ。薗田くんや遼くんのように大きなゴルフはできないけど、飛ばさなくても戦えるんだということを、プロの舞台で証明したい」
攻撃的なゴルフを身上にする石川や薗田に、彼のような職人肌が加われば、いろいろなタイプの役者が揃い、プロツアーはさらに盛り上がること間違いなしだ。
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