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週刊ゴルフダイジェスト 8/31号
2010/8/23更新

テーマは「レイドオフ」!
石川遼1年1ミリの長いスウィング改造


レイドオフをめざして、目下スウィング改造中

 全米プロ選手権で、今季のメジャー4試合すべてを戦い終えた石川遼は、国内後半戦を前にして「1試合でも多く優勝争いをすることが目標」と闘志を燃やしている。一方で長期計画ともいえるスウィング改造に取り組んでいるという。

「なぜいつもメジャーを前にしてスウィング改造に取り組むのか」
という批判的な評論もあるが、石川にとってスウィング改造とは、たとえメジャーを戦っている最中でも取り組み続けなければならないルーティンワーク。

 父の勝美氏は「どんなにいいゴルフができたとしても、それを標本のようにして同じ動きをしようとしてもダメです。もっといいゴルフができるはずだと先を見据える向上心が必要です」という。

 今回、石川が取り組み始めたスウィング改造のテーマは『レイドオフ』。これまでトップでシャフトが飛球線方向と交わってクロスする傾向があったものを、飛球線よりやや左を指すトップに変えようという試みだ。

 石川によれば、
「練習では結構大げさにやっているつもりなんですけど、多分、1ミリぐらいクラブの位置をづらすのに1カ月、1センチで1年ぐらいかかると思います」
という長期計画だ。それほど長期にわたって改造するのにも意味がある。
「1日2日で簡単にクラブの位置が移動できてしまうと、やっぱり1日2日で、また元の位置にクラブが戻ってしまうと思うんです。そういう意味では、時間をかけて地道にスウィングを変えていくことで、完成してからのクォリティというか完成度の高さが保証できると思うんです」(石川)

 実は、中学3年から高校1年にかけて、石川は勝美氏にレイドオフへの改造を提案したことがある。そのときは時期尚早ということで却下されたそうだ。

 今、改めて勝美氏がそれにゴーサインを出したのは、
「レイドオフにしてスウィングやクラブをまったくねじらずに飛ばすには、体力が必要なんです。それに耐えられる体力がついたのかな、と思っています」
と石川はその理由を分析する。

 レイドオフはクロスと比べると飛距離は落ちるが、プレーン上をクラブがきれいになぞって振れるので正確性は増すといわれている。それを補うのが体力だ。日々進化する石川のスウィング。今度はどんな進化を見せてくれるのか楽しみだ。

 
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