週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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スウェーデン力で大活躍
グランドスラムに王手をかけた台湾人ツェン

ツェンの活躍の陰にアニカとピアの存在があった

　米女子ツアーのメジャー最終戦、全英リコー女子オープンで、ヤニ・ツェンが完全優勝を飾った。クラフト・ナビスコ選手権に続き今季2勝目。21歳の若さにして早くもグランドスラム（四大メジャー制覇）に王手をかけた。

　まさに“メジャーキラー”の面目躍如。2008年にデビューした年にいきなりLPGA選手権に優勝し、その年の新人賞に輝いたツェンは通算４勝のうちメジャーが３勝。「なんでなんでしょう？ メジャーになると集中力が高まるのかも」と本人も首を傾げたが今回の勝利の陰には彼女が持つ“スウェーデンコネクション”の力添えがあった。

　そのひとつが、かつての世界ナンバー１のアニカ・ソレンスタムの存在。実はアニカが現役を引退し結婚したのを機に、新居に引っ越したのだが、以前彼女が住んでいた家を購入したのがツェンだった。

「アニカの運がこの家に残っているかもしれない」とゲンを担ぎ、20歳で豪邸の主となったツェンは、その縁でこれまで度々元女王からアドバイスを受けてきた。

　今回も単独トップで迎えた最終日を前に「首位に立つのがよく似合う。あなたの居場所はそこよ。自分を信じて楽しみなさい！」というメッセージをアニカからもらい、ツェンはその言葉を胸に重圧のかかる最終日を乗り切ったのだとか。

　さらにアマチュア時代からアニカを指導し世界ナンバー１に導いたピア・ニールソンコーチの存在も見逃せない。現在ピアはリン・マリオット女史と組んで『ビジョン54』を主宰。アマチュアからプロ、さらにコーチ育成まで幅広く指導を行っており、宮里藍もそのひとりだ。

　全英女子オープン前、シーズン序盤の勢いをなくしていたツェンは「何かきっかけがつかみたい」とピアに相談。するとピアは「アドレスが長すぎる。ショットの前にあれこれ考え、結果を求めているのでは？」と指摘。その対処法として「ミスをしても好きな歌を口ずさんでさらりと流す」とアドバイス。それを実践することで結果を気にせず目の前のショットに集中できたとツェンはいう。

　この程度のアドバイスで本来の力が甦るツェンも、たいしたものなら、それを引き出した“スウェーデンコネクション”もさすがである。

　
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