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岡本綾子に次ぐ、米ツアー賞金女王まで、残り8試合
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宮里藍が米ツアーでシーズン5勝目を挙げ、世界ランク、賞金ランク、年間最優秀選手賞ランクすべての部門で1位に立った。「まだ試合が残っているので気を緩めるわけにはいかない」と本人は兜の緒を締めるが、果たして好調の原因は何なのか? メンタルコーチ、ピア・ニールソンの分析とは?
「今シーズンは、開幕前の1月と2月に、非常に有意義な時間をアイとともに過ごすことができました。というのも、テクニックだけでなく、肉体的にも精神的にも感情的にも、あらゆる面でシーズンを戦う準備を整えられたからです」
と語るピア・ニールソン。具体的には、どのようなことに取り組んだのか。
「自分のベストのパフォーマンスを引き出すには、どうすれば良いかを見つけられたことが大きい。重圧のなかで普段の力を発揮するため、自らを100%コントロールする術を会得した」(ピア)
アメリカに挑戦し始めたころの宮里は、飛ばし屋の多いツアーのなかで飛距離を欲しがり、ショットに気をとられて、本来の持ち味であるショートゲームをおろそかにしてきた。
しかし、自分が持っているものを最大限に活かすにはどうすればよいか? を考えた末、100ヤード以内を徹底的に磨くことが、スコアメイクのカギだということに思い当たる。
その成果が発揮されたのがツアー4年目の昨年あたりからで、エビアン・マスターズで米ツアー初優勝を飾ってからは、ないものねだりはせず、できることを精いっぱいやる自らのゴルフスタイルを確立した。
とはいえシーズン序盤で4勝を挙げ周囲の期待が高まるなか、メジャーでは優勝争いに加われず気持ちの面で葛藤もあった。だがそういうときこそ「特別何かをやるのではなく、いま持ってるものを、よりコースで表現できるようになりたい」と目の前の1打に集中。ピアが言うように「ベストなパフォーマンスを引き出す術」をつかんだのだ。
勝てるときは「重心が落ちて下半身が安定する。足の指で地面をつかんでいる気がする」という宮里。
週刊ゴルフダイジェスト9/14号101ページでの特集でも宮里が語っているように、
「いい状態を重圧のかかる試合の最中に作り出すため、普段の練習から本番と同じよう1打1打、自らにプレッシャーをかけ、重心を落とす意識を持って球を打っていました。この足の感覚が研ぎすまされたのは、オフにピアから『裸足で打ってみれば?』というアドバイスを受けたのがきっかけでした」
という宮里。名参謀がいる限り、宮里藍の快進撃は続く!?
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