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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/9号
2010/11/1更新

儲かっていたのになぜ?
キャスコがマミヤに買収された

 10月20日、シャフトメーカーのマミヤ・オーピーは、総合ゴルフ用品メーカーのキャスコの株主である投資ファンドから、発行済み株式の91.2%を取得価額21億円で譲り受ける株式譲渡契約を締結した。

 近年、ゴルフ用品業界では、投資ファンドによる買収のほか、SRIスポーツとクリーブランド、キャスコとウィルソン(事業譲渡)などクラブメーカー同士のM&Aが行われてきたが、今回はパーツメーカーがクラブメーカーを子会社化する形となった。

 マミヤ・オーピーは、カーボンシャフトのオリムピック釣具と光学機器メーカーのマミヤ光機が1992年に合併してできた会社。その後、釣具事業と光学機器事業を譲渡し、現在は電子機器事業とスポーツ(シャフト)事業を2本柱としている。

 しかし、その売上げ比率は電子機器事業が87%を占め、2本柱というには偏り過ぎているのが現状。米国子会社USTとの事業統合などを行ったものの、パーツメーカーとしての成長には限界がある。かといって総合用品メーカーに転換するには相当のコストがかかる。

 そこにタイミングよく飛び込んできたのが今回のM&Aの提案だった。
「キャスコのような老舗ブランドが日本のM&A市場に“売りに出る”ことは滅多になく、絶好の機会だった。当社経営陣が工場見学を行い技術力や設備を高く評価した」(マミヤ・オーピー秘書室)
ことから交渉はトントン拍子に進んだ。

 キャスコの売上げを合わせれば、スポーツ事業の売上げ比率は現状の13%から4割近くまで上昇し、経営基盤の強化に直結する。
「キャスコの業績は良く、儲かっていたはず。親会社のファンドが今をいいタイミングとしてM&Aを提案したのでは」とは、業界の事情通だ。

 攻めの姿勢に転じたマミヤ・オーピーの今後の動向に注目したい。

 
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