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2ボールパターの打ち方がわかった。でも練習は10球だけ、練習しすぎはだめと田村さん
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11月17~19日に「日本ミッドアマ選手権」が飯能GC(埼玉県)で開かれたが、優勝したのは週刊ゴルフダイジェスト誌でもお馴染みの“がんばらない”中年ゴルファー田村尚之さん(46)。ミッドアマは30歳からが出場資格。30代といえば現役ばりばりの強豪がひしめく世代だが、そんな強敵を蹴散らせての優勝。今大会を取材した気鋭のジャーナリスト・上杉隆が田村さんの奮闘をレポート。
今大会、田村は3日間トップの(67-74-68・通算7アンダー)完全優勝を果たした。
その週「エース1」という芝種を使う飯能のグリーンは完璧といっていいほどの仕上がりであった。練習日には、田村も、同大会の唯一の複数回優勝者ながら、飯能のグリーンには手こずっているようだった。
今秋、プロも参加する広島県オープン、宮崎でのスリクソンダブルスでの勝利と波に乗っている田村の唯一の不安はパッティングにあった。
確かに、連載「がんばらないゴルフ」時代のようなカップの向こう側の仮想のパチンコ釘に当てるようなあのパッティングスタイルは消えていた。それが戻ってきたのはこの練習ラウンドの直後であった。筆者との食事の誘いも断り、なんと田村はそこで40分間もパターでボールを転がし続けたのだ
普通の選手ならば驚くに値しないかもしれない。だが、あの練習しない田村のことだ。一体何が起こったのか。
「もともとショットでもインサイドに引きすぎていたんです。ところがあのパターを使うと真っすぐにテークバックを引かざるを得ない。わざとアウトサイドに引けば、イントゥインがスムーズになり、開いて閉じてという動きも自然に消せるのです」
大会最終日のスタート前、オデッセイのフェースバランスの2ボールパターを持ち、1人練習グリーンに向かった田村。それなら普段から練習すればいいのにと内心秘めながら、どのくらい打ったのが聞いてみた。
「10球だけですよ。残像があれいいんです。それ以上打つとやりすぎですから」
やっぱり練習していなかったのだ。だがこのパターを使い始めてから、今季の田村の成績は、8ラウンド中7ラウンドでアンダーパー、さらにそのうちの6ラウンドが60台という驚異的なものである。46歳にしてまだ進歩を続ける田村尚之――。
ミッドアマの優勝によって、来年の日本オープンの出場を早々と決めている。
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